矢野耕平先生の中学受験お悩み相談室

2016-08-03中学受験の塾通い

質問

小3の娘がいます。来年の春に向けて、塾を検討しています。中学受験は大手塾が安心だと聞きますが、わが子が大勢の子どもたちの中での競争についていけるかが不安です。小さい塾だと面倒見が良さそうな気がして悩んでいます。塾選びのポイントを教えていただけますか。

回答

 はじめまして。「中学受験お悩み相談室」を担当する矢野耕平と申します。
 東京・自由が丘と三田に展開する中学受験専門塾スタジオキャンパスの代表を務め、国語と社会を指導しています。大手塾に勤務した時代を含めると、中学受験指導に携わって今年で22年目になります。これまで現場で積み上げてきた様々な経験を軸にして、皆様のお悩みに本音で回答したいと思っています。よろしくお願いします。


 さて、早速ご質問に回答したいと思います。
 娘さんが小学校3年生とのこと。慌てず、ゆっくりと塾選びできる時期ですね。
「大手塾は安心感があるが、競争が激しいのではないか」「小さな塾だと面倒見が良いのではないか」とありますが、そう言い切ってしまうのはどちらも早計というものです。

 大手塾の良さは確かに「確立されたシステム」があるため、敷かれたレールに乗るだけで何とかなるのではないかとつい考えてしまいますね。しかし、大切なのは、システム云々以前に娘さんがその塾を好きになり、自ら多くの知識をどんどん吸収していける環境なのかどうかということです。そういった娘さんの主体性を引き出す講師に出会えるかどうか……極言すれば、それが塾選びの最重要ポイントです。

 大手塾の短所はアルバイト講師に依存せざるを得ないところが多い点です。試しにネットで「塾講師 アルバイト 大学生」と検索してみてください。有名大手塾がずらりと並ぶはずです。もちろん、アルバイト講師ではあっても親身に指導をしてくれ、学力向上に導いてくれる人はたくさんいます。しかしながら、「この仕事で一生食べていく」という思いを持った正社員のほうが、「良い先生」である可能性は高いでしょう(あくまでも確率論ですが)。

塾イメージ2



 一方、小さな塾は面倒見が良い……そうは決して言い切れません。確固たるシステムを有している大手塾と比較すると、「自転車操業的」に運営している塾が多いと聞きます。
 塾というのは実にお手軽に起業できる業種です。だって、「先生」がいて「部屋」があり「机や椅子」があり「黒板やホワイトボード」があれば、すぐに立ち上げることができますから。さらに、塾講師には免許すらありません。誰だってすぐに塾を運営できるのです。

 わたしの塾には大小問わず多くの「他塾」から移ってくる子どもたちがいます。「質問をしても全く答えてもらえなかった」「先生が解答を見ながら授業をしていた」「中学受験を希望しているのに、小学校準拠の教材しか扱わなかった」……こんな信じられない事例を耳にしたことがありますが、その多くは個人塾をはじめとした規模の小さなところばかりです。


塾イメージ


 大切な塾選び。まずは保護者が気になった複数の塾に直接足を運んで話を聞いてみるべきです。その上で、「ここはいいのではないか」と感じたところへ、娘さんを授業体験させてみてその感想で判断するのがよいでしょう。結局、中学受験の主体は子どもなのですから。

 繰り返しますが、塾選びのポイントは「どんな先生に習えるか」です。
 娘さんが心から尊敬できる先生に出会い、そして導かれ、中学受験を通じて大きく成長されることを願っています。

 最後に、塾選びにおける5つのチェックリストを作成しました。ご参考になれば幸いです。

1.教育理念・指導方針がちゃんと存在しているか。

2.子どもたちが勉強に専心できる環境を整えているか。

3.毎年安定した塾生数を保ち、幅広い学校の合格実績を有しているか。

4.ホームページの更新は頻繁におこなわれているか。

5.事務の受付対応や料金受領などのシステムはちゃんとしているか。


※第2回目は8月中旬に公開予定です。

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矢野耕平先生
大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立。代表を務めるとともに国語と社会を担当しています。
著書として『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)など多数あります。
中学受験業界に精通されている矢野先生へ、ぜひ受験の不安や疑問などお寄せください!




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プロフィール

1973年東京生まれ。大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立し、代表に就任。東京・自由が丘と三田に校舎展開している。また、学童保育施設「ABI-STA」特別顧問 も務める。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『iPadで教育が変わる』(マイコミ新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)など多数。2018年12月上旬に「旧名門校 VS 新名門校 今、本当に行くべき学校と受験の新常識がわかる! 」(SB新書)が刊行。


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