矢野耕平先生の中学受験お悩み相談室

2016-11-07中学受験の塾通い

質問

小5の娘は、夏休み明けくらいから「塾をやめたい」と言い出しました。
塾の授業についていくのが辛くなり、宿題をこなすことさえ困難だから……というのがその理由です。自分の自由な時間が無いためか、イライラしながら机に向かっています。
親が説得をして通塾を渋々続けているものの、「塾に行きたくない」と言う頻度が最近は加速度的に増えてきました。
まだ塾には相談できていないので、近々相談します。
ただ、相談して解決するのかも分からず不安に思っています。親として娘にどう接すればいいでしょうか。また、今後娘はどうすべきかをお教えください。

回答

 こんにちは。
 塾をやめたいと口にしながら、日々の学習に苦しんでいる娘さんを見ると、親としてどうすべきか困り果ててしまいますね。お母さまの娘さんを思う気持ちはよく理解できます。もちろん、このまま放置しても事態は悪化していくだけですので、何らかのアクションをすぐにでも起こすべきでしょう。

 さて、小5の秋口から突然「塾をやめたい」とか「勉強が嫌だ」「授業についていけない」とか、親にSOSを送る子どもたちは本当に多くいます。中学受験塾の標準的なカリキュラムを見ていると、小5の秋は乗り越えなければならない「高い壁」が幾つも存在しています。たとえば、算数では重要単元でありながら苦手意識を持つ子が続出する「比」の学習に取り組まなければいけません。あるいは、社会ではそれまでの地理からは打って変わって「歴史」の学習に入り、聞きなれない用語と連日向き合わなくてはいけません。


問題に悩む


 娘さんが上述したような学習で苦しんでいて、「塾をやめたい」と言っているのであれば、まずは以下の点を確認してください。

1.娘さんが取り組んでいるテキストは質・量ともに今の学力レベルに合っているのか。
2.分からないところは塾の講師に適宜質問できているか。
3.必要以上に多くの課題に取り組んでいないか。また、遠回りの学習をしていないか。

 1についてですが、大手塾の中には学力的にトップクラスの子もそうでない子たちも同じ問題に取り組まなければならず、質・量ともに全くついていけないケースがあります。
 また、2についても大切です。分からない問題に出合ったとき、または授業で理解できない説明があったときに、ちゃんとその場で(あるいは授業後に)その講師に質問をできているのかということです。
 この1・2で問題があれば、少人数で丁寧に指導してくれるところへの「転塾」を考えてもよいかもしれません。実際、わたしの塾にも大手塾から移ってくる子どもたちがたくさんいますが、指導環境が変わることで、学習に対して前向きになれることが多々あるのです。

 3に問題があれば、いま通っている塾の講師に相談した上で、「最低限」取り組まなければならない課題、そして、それらに対するシンプルな取り組み方を聞き出したほうがよいでしょう。いままで長時間向き合わなければいけなかった宿題の量を抑え、短時間で要領よくこなせるようになると、娘さんの表情は明るく変わっていくはずです。

 もし、これでも事態が一向に変わることなく、娘さんが勉強そのものを嫌がるようであれば、「中学受験」をすべきか否か、その根本についてじっくりと時間をかけてご家族で話し合うべきでしょう。
 娘さんが中学受験勉強に取り組むことで「学ぶこと」を拒絶してしまうようなら、中学受験自体をやめてしまっても一向に構わないと思います。娘さんのこれからの長い人生の中では「たかが中学受験」だとも思います。世の中は中学受験をしない子どもたちのほうが圧倒的に多いのです。
 お母さまがそんな冷静な視点を持って娘さんに接することも大切だとわたしは思います。



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矢野耕平先生
大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立。代表を務めるとともに国語と社会を担当しています。
著書として『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)など多数あります。
中学受験業界に精通されている矢野先生へ、ぜひ受験の不安や疑問などお寄せください!




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プロフィール

1973年東京生まれ。大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立し、代表に就任。東京・自由が丘と三田に校舎展開している。また、学童保育施設「ABI-STA」特別顧問 も務める。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『iPadで教育が変わる』(マイコミ新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)など多数。2018年12月上旬に「旧名門校 VS 新名門校 今、本当に行くべき学校と受験の新常識がわかる! 」(SB新書)が刊行。


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