矢野耕平先生の中学受験お悩み相談室

2018-05-10中学受験の塾通い

質問

4年生の母親です。
周りの子が塾へ通い始めました。うちの子は、新学期になってから授業へついていけているかなど見てからでいいやと思っていて、まだ予定のない週末に体験授業をやっていれば参加してみようかと親子でのんびりしていました。
しかし、既に春休みから通う塾を決めてばりばり受験勉強を始めている子もいるらしく、不安になってきました。
4年生になったばかりの今、塾がまだ決まっていない状態では遅いでしょうか? 既に遅れを取っているとしたらどうすればいいでしょうか?

回答

 こんにちは。
 お子さんの周りにいる同級生たちが塾通いをはじめると、「ウチはのんびりしていて大丈夫なのだろうか……」と言い知れぬご不安を抱いてしまうもの。そのお気持ちはよく分かります。


 しかし、焦燥感にさいなまれるあまり衝動的に通われる塾を決めないほうがよいでしょう。何しろお子さんはまだ4年生になったばかりなのです。これからじっくり通塾する先を検討しても遅いことは決してありません。


 中学受験を考えての塾通いは4年生のスタート時点から始められる方が確かに多いです。しかしながら、ほとんどの中学受験塾は5年生~6年生の2年間をかけて中学受験で出題される学習範囲を網羅するカリキュラムが組まれています。言い換えれば、それ以前の時期は「5年生から始まる本格的な受験勉強」の準備期間なのです。


 ですから、どっしりと構え、ゆったりとわが子に「最善」と思われる塾を探すことが大切です。
 その塾の教育理念はどんなものか、近年の進学実績はどうか、教材やカリキュラムにはどんな工夫がなされているか、子にとって学習に励みやすい環境が構築されているかどうか……ほんの一例ではありますが、塾選びの際は保護者にとってのチェックポイントがたくさんあります。
 以前このサイトで「中学受験は大手塾が安心?塾選びのポイントを教えてください。」という質問に回答しました。ここに塾選びにおける5つのチェックリストがありますので、ご参考になさってください。
【質問】中学受験は大手塾が安心?塾選びのポイントを教えてください。


 そして、塾通いの主体は紛れもなくお子さん当人です。
 保護者サイドで通塾候補となる塾を幾つかしぼりこんだら、今度はそれらの塾の授業をお子さんが体験することが大切です。お子さんが「ここなら楽しく学べそう!」という感触が得られるところがよいですよね。くれぐれもお子さんがその塾に通うことに対して消極的な態度を示しているのに、保護者の独断で押し切ってはいけません。



 最後に、老婆心ながらアドバイスを付記します。
「既に遅れを取っているとしたらどうすればいいでしょうか?」とありますが、カリキュラム上の遅れは気にする必要はありません。肝要なのは、塾通いを始めたあと、その日その日に学ぶ内容をしっかりお子さんが吸収、定着できるよう導いていくことです。遅れを気にするあまり、下手に以前のカリキュラムの学習をおこなってしまうと、いまのカリキュラム消化の妨害になってしまう、すなわち、「虻蜂取らず」の状態に陥ってしまう可能性もあります。先述したように、5年生以降の学習内容で中学入試に必要な範囲をすべて扱うのですから、焦りは禁物です。


 お子さんが塾通い、そして中学受験勉強を心から楽しみ、学力を伸ばしていけることを願っています。



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矢野耕平先生は大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立。代表を務めるとともに国語と社会を担当しています。
著書として『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)など多数あります。

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プロフィール

1973年東京生まれ。大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立し、代表に就任。東京・自由が丘と三田に校舎展開している。また、学童保育施設「ABI-STA」特別顧問 も務める。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『iPadで教育が変わる』(マイコミ新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)がある。


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