こんにちは。
塾の面談でそのようなことを言われると、いろいろと悩んでしまいますね。
結論から申し上げると、中学受験に"向いている"性格、"向いていない"性格というのはありません。
息子さんはおっとりとした優しい性格の持ち主だそうですが、そのような性格の子は中学受験生には大勢います。
学習面に目を向けると、この手のお子さんはマイペースで、ときにはお母様がじれったくなってしまうことがあると思います。しかしその一方で、他者をさほど気にせず、また、模試の得点に一喜一憂することなく、淡々とやるべきことに取り組んでいけるという長所があります。
競争心のある子は一見「中学受験向き」のように思いますが、やはり一長一短あります。ライバルの友人に負けたくないと猛烈に学習を進められる反面、たとえば、得点を気にするあまりストレスを溜めこんだり、ときにはカンニングに走ってしまったりという事態に陥ることもあります。
補足ながら、中学受験で"学力が伸びる"姿勢、"学力が伸びにくい"姿勢というのはあります。
前者は「自ら学び、自ら教わる」姿勢です。知的好奇心にあふれていて、分からないところは積極的に質問してその場で解決するような子はぐんぐんと成績が向上します。後者は、中学受験勉強を「やらされている」「おしつけられている」という姿勢になってしまっている子です。親からただ塾に通わされているような子は、授業で自らいろんな知識を吸収しようという意欲が見られないものです(もちろん、わたしたちプロの塾講師はそういう子をどう変えていくかに精励恪勤しているわけですが)。
最後に、塾の講師が顧客である保護者に対して「中学受験はおすすめできない」と切り出すのは(営業面を考えても)大変に珍しいことです。塾の講師がそのような判断を下した具体的な理由をたずねてみてはいかがでしょうか。ひょっとすると、思いもよらない問題、課題が息子さんにあるのかもしれません。
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中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文春新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)。現在、AERA dot.やプレジデントOnline、ビジネスジャーナルなどで連載記事を執筆している。