矢野耕平先生の中学受験お悩み相談室

2019-10-11中学受験の塾通い

質問

 矢野先生初めまして。3年生の息子のことで相談です。今年の夏休みは遊びがメインになってしまい、ほとんど勉強しませんでした。息子の性格は席に座っているのが苦手で、落ち着きがないところがあります。来年から塾に通わせる予定なので、まずは毎日勉強する習慣をつけさせたいと思っているのですが、今の状態からほかに何か準備できることはありますか?

回答

 こんにちは。
 息子さんは来年(4年生)から塾通いする予定なのですね。

 中学受験に必要な各科目の「学習習慣」は、塾通いしたあと少しずつ身につけていければ問題ないでしょう。わたしが気になるのは「息子の性格は席に座っているのが苦手で、落ち着きがないところがあります」とおっしゃっている部分です。
 息子さんの普段の様子はどうなのでしょうか。「夏休みは遊びがメインだった」とありますが、たとえば、昆虫採集、野球やサッカー、ゲームなどどんな分野でも構いませんので、「何かに長時間一意専心した」という経験はありますか。あるいは、何に対しても集中力が持続せず、「やり遂げた」と胸を張れた経験がない状態でしょうか。

 前者であればわたしはさほど心配は要らないと考えます。一つの物事に没頭した経験があるならば、(もちろん簡単にはいかないでしょうが)中学受験勉強でも、同じような姿勢が芽生えてくる可能性が高いからです。

 一方、後者のようなタイプの子は残念ながらいまのままでは中学受験勉強が上手くいかない可能性が極めて高いでしょう。このような子には「何かに継続して取り組めた」という小さな成功体験を味わえるよう、親が導いてやる必要があります。

 この場合、本当に「些細なこと」で良いのです。
 「夕食が終わったら必ず自分の食器を片付ける」でもよいですし、「毎日18時から5分間は家の掃除を手伝う」でもよいです。それができたらスタンプなどを押印して、連続7日間とか10日間とか続いたら思い切り褒めてやりましょう。その積み重ねで、「何かに集中して取り組む」ことを体得していくのだとわたしは考えています。

 いずれにせよ、毎朝算数の演習をやらせるとか、国語の漢字の書き取りをさせるとか……次年度以降の勉強習慣を身につけさせるために、そんな「勉強」に無理して取り組まなくてもよいとわたしは思います。そして、そんなことを無理強いしてしまうと、息子さんが「勉強」そのものを忌避しようとする危険性も孕んでいると考えます。

 保護者としてつい焦ってしまうお気持ちはよく理解できます。でも、ゆっくりじっくり息子さんの成長を見守ってやることこそ大切なのだとわたしは思います。



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矢野耕平先生
大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立。代表を務めるとともに国語と社会を担当しています。
著書として『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)など多数。2018年12月上旬に「旧名門校 VS 新名門校 今、本当に行くべき学校と受験の新常識がわかる! 」(SB新書)が刊行。
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プロフィール

1973年東京生まれ。大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立し、代表に就任。東京・自由が丘と三田に校舎展開している。また、学童保育施設「ABI-STA」特別顧問 も務める。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『iPadで教育が変わる』(マイコミ新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)など多数。2018年12月上旬に「旧名門校 VS 新名門校 今、本当に行くべき学校と受験の新常識がわかる! 」(SB新書)が刊行。


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