矢野耕平先生の中学受験お悩み相談室

2021-11-30中学受験の塾通い

質問

 小学3年生の娘がおります。最近になって中学受験をしたいと言い出しました。周りの友達が中学受験するのが理由のようです。もともとおっとりしていて消極的、成績は普通だと思います。これまで習い事が続かず辞めることが何度かありました。この性格で来年から塾に通い、中学受験ができるのかが心配です。まずは冬期講習に通わせてみようと考えていますが、親として精神面でどのようにサポートすればよいでしょうか。


回答

 こんにちは。
 お嬢様のご状況が理解できました。「周囲が受験するから……」というのはよくある動機です。
 ただ、お嬢様はまだ中学受験がどういう世界なのかを知らないのではないでしょうか。小学生のうちに受験勉強に打ち込むメリットやデメリット双方について、親子でじっくり話し合える場を設けてみてはいかがでしょう。宣伝めいていて申し訳ありませんが、お嬢様に話をする際には拙著『令和の中学受験 保護者のための参考書』の序章と第1章がその参考になるでしょう。

 わたしは中学受験指導に従事して今年で28年目となりますが、そんな立場のわたしであっても中学受験は「絶対にしなければならないもの」とは一切思っていません。首都圏(1都3県)の小学校6年生のうち、私立中学校を受験する子どもたちは全体の約16%とされています。つまり、中学受験は約6人に1人しか挑まないという「特殊」な世界です。親子で相談した結果、中学受験の道を回避するのはいたって「普通」のことです。

 あくまでも文面から読み取れる情報からでしかないのですが、お嬢様の性格面を考えると、塾通いを始めたあとは、しばらく保護者が付きっきりで日々の学習のチェックやアドバイスなどをおこなう必要がありそうですね。その際の注意点はたったひとつです。
 「お嬢様が勉強そのものを忌避するような声かけ、接し方はしないように努めること」です。
 保護者がお嬢様と一緒に中学受験勉強を楽しめるとよいですよね……とはいえ、ことばにするのは簡単ですが、これってなかなか難しいことではありますが。

 中学受験塾の多くは5~6年生の2年間かけて中学入試で出題される範囲を網羅します。この2年間の「本格的」な受験勉強の「準備期間」として3年生や4年生の学習があるのです。
 言い換えれば、4年生いっぱいまでは、わが子を試しに中学受験塾に通わせて様子を見てから、「進路面」を判断するのも一つの手です。お嬢様が勉強に楽しみを見出し、嬉々として塾通いできるようになるとよいですね。

 最後に。
 前述しましたが塾通いを始めた当初は「手取り足取り」でお嬢様の学習をバックアップしてやってほしいと思います。しかし、5年生以降になると子どもたちに求められる学習量やその質がハードなものになります。その際に、お嬢様がひとりで取り組めるものを増やすべく、ゆるやかに時間をかけて保護者サイドからそれまで手をかけていた作業を少しずつお嬢様本人に「移譲」してもらいたいと願っています。これが上手くいくと、本格的な受験勉強に専心するときに役立つ姿勢であるのはもちろんのこと、双方のストレスを軽減、和らげてくれる側面を持つのではないかとわたしは考えます。

 本記事がご参考になると幸いです。


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矢野耕平先生
中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文春新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)。現在、AERA dot.やプレジデントOnline、ビジネスジャーナルなどで連載記事を執筆している。




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中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文春新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)。現在、AERA dot.やプレジデントOnline、ビジネスジャーナルなどで連載記事を執筆している。


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