矢野耕平先生の中学受験お悩み相談室

2016-08-17中学受験の家庭学習

質問

小4から大手塾に通塾し、現在小5の受験生の息子を持つ母です。
共働きのためこれまで仕事が忙しくあまりサポートできなかったのですが、去年よりも成績が悪くなっているために何かサポートをしたいと思っています。親は何を重点的にサポートするべきでしょうか。

回答

 こんにちは。
 共働きでなかなか息子さんの勉強に携われなかったとのこと。そんな中、塾を辞めることなく勉強を続けてきた息子さんは立派だと思います。
 なかなかサポートできなかった点にうしろめたさを感じられているのでしょう。また、成績が伸び悩んでいる息子さんの姿にもどかしさを抱かれているのかもしれませんね。そういうお気持ちは痛いほど理解できます。

 しかし、ここで保護者が息子さんの勉強を全面的に、直接的にサポートしようとするのでなく、そのサポートはあくまでも間接的なものでよいのではないかと考えます。
 保護者が子どもの勉強にタッチしようとすると軋轢が生じてしまうケースをわたしは度々目にしてきました。ましてや今回のケースは途中から息子さんの勉強に関与するという話ですので、気をつけなくてはいけません。

 これはもう親としての宿命的な性質だとしか言い表せないのですが、親の多くは子どもの長所よりも短所ばかりが気になってしまうものです。たとえば、70点のテスト答案を持ち帰った子どもに対して「70点を褒めてやれる」親は本当に少なく、逆に「失点した30点を責める」親が多いのです。


答案イメージ


 それでは、先述した「間接的なサポート」とは何か。それは、息子さんが前向きに勉学に打ち込める環境整備と、モチベーションアップのための支えです。

 たとえば、お通いの塾の講師とは連絡を取っていますか? 成績がなかなか伸びないのであれば、その原因解明と具体的な方策を塾講師に求め、息子さんにアドバイスしてもらえるよう働きかけるとよいでしょう。塾によっては「親のサポートありき」のところもありますから、もしそのような類の塾であれば、転塾を視野に入れてもよいかもしれませんね。

 学校説明会に足を運んだり、息子さんを私立中学校の行事に連れて行ってやったりしていますか? 「行きたい!」と思える学校に出合えれば、息子さんも俄然気合を入れて日々の学習に打ち込むようになるかもしれません。
 そして、毎日勉強に精励している息子さんに温かな励ましの声をかけてやっていますか? 子どもたちは保護者の顔色を何気なく伺い、それを物事の価値判断の尺度にしていることが多いのです。


 中学受験は最終的に「子どもひとり」の世界です。
 入試本番、子どもたちは誰にも頼ることなく、数々の難問を解いていかねばなりません。
 言い換えると、保護者に依存しきってしまう学習が常態化している子は、難関の中学入試で成功を収めるのは難しいといえます。

 お子さんに対しては間接的なサポートを徹底しておこないつつ、中学受験を通じて自立を促していく……そう腹をくくって臨んでみてはいかがでしょうか。



中学受験に関する相談や質問を受付中です!

毎月、お寄せいただいたお悩みの中から先生が2つを選んで上旬と下旬に回答いたします。(お悩みを採用させていただいた場合でも、ご連絡はしておりません)
すべてのご相談には回答できませんので、あらかじめご了承ください。また、個別のご質問に対して、メールでの直接回答はいたしかねますので、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。


矢野耕平先生
大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立。代表を務めるとともに国語と社会を担当しています。
著書として『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)など多数あります。
中学受験業界に精通されている矢野先生へ、ぜひ受験の不安や疑問などお寄せください!




  • はてなブックマークに追加
  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • Google+でシェア


テーマ一覧

ブログ内検索

プロフィール

1973年東京生まれ。大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立し、代表に就任。東京・自由が丘と三田に校舎展開している。また、学童保育施設「ABI-STA」特別顧問 も務める。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『iPadで教育が変わる』(マイコミ新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)など多数。2018年12月上旬に「旧名門校 VS 新名門校 今、本当に行くべき学校と受験の新常識がわかる! 」(SB新書)が刊行。


月別

以前の月を見る

編集部オススメ