矢野耕平先生の中学受験お悩み相談室

2017-07-06中学受験の家庭学習

質問

先日の、小学生からの相談に対するお答えを拝見しました。
優しく、わかりやすく答えていらっしゃり、感激しました。
実はうちの息子も塾へ行きたくないと家庭学習のみで受験に挑もうとしています。
夫も私も、中学受験したいならチャレンジすればいいし、たとえ結果がよくなかったとしてもそれはあまり気にしていません。
ただ、本人のがんばりは尊重してあげたいと思います。
先生に伺うのも失礼かもしれませんが、家庭学習におすすめの中学受験用参考書などはありますか?

回答

 こんにちは。
 先日の小学生からの質問の回答を読んでくださったのですね。ご感想を頂戴し、嬉しく思います。ぜひ、息子さんにもその記事に目を通してもらいたいです。そして、塾通いせずに中学受験に挑むことの厳しさを息子さんに知ってもらうと同時に、学習に打ち込む覚悟を自ら決めてもらえるとよいなあと思います。


 ご質問の「塾なし」で中学受験に挑むお子さんへのお薦めの教材ですが、四谷大塚の『予習シリーズ』などの予習型教材を活用するのも手でしょう。ただし、一人で中学受験勉強を進める上で、最も苦労されるのは「タイムスケジュール」の管理ではないかと考えます。1週間の半ば「ルーティン化」された学習スケジュールを実行すること、そして、どの時期に何の学習をおこない、どのタイミングでそれらの総合的な復習をおこなうか……などなど。
 塾に頼らず家庭学習をおこなうならば、上述したタイムスケジュールの管理は親がある程度関与しなくてはなりません。


 そこで、わたしがお薦めするのは中学受験生向けの通信学習です。Z会の「中学受験コース」やベネッセの「中学受験講座」など大手教育機関のものがよいでしょう。これだと、ご家庭でオリジナルのプログラムを組んでいくよりも、効率良く中学受験の学習に取り組める可能性が高くなるでしょう。


 さて、ご質問でわたしが気になるのは、お父様やお母様が「中学受験したいならチャレンジすればよいし、結果にはあまりこだわらない」というスタンスを明言されていることです。


 中学受験は甘い世界ではありません。


 ときには、友だちと遊ぶ時間を削ったり、休日が丸々つぶれたりすることもあるでしょう。また、各科目とも膨大な知識を覚えていかなくてはなりませんし、多くの演習やそれらの見直しも不可欠です。
 こんな厳しい世界を子どもたちが乗り越えていくには、親の中学受験に向けたある種「ためらいのない」支えが必要です。お子さんが弱音を吐いたとき、あるいは、スランプに陥ったとき、「中学受験したいと言い出しのはあなたでしょう。つべこべ言わずにしっかりやりなさい」と直言できるかどうかがキモなのです。それが言えずに、子の意志に任せっぱなしにしていたら、おそらく中学受験の学習途上でお子さんのモチベーションが低下してしまう危険性があると考えます。


親子二人三脚


 中学受験に向けて本気で学ぶ子どもたちの親もこれまた本気で子の中学受験を支えています。
 最終的にはそのような子どもたちと息子さんが入試で合格点を奪取するために競わなければなりません。
 お子さんの中学受験にゴーサインを出したら、親も子の「合格」を心から願い、全面的に協力する姿勢を貫かねばなりません。
 一生懸命学んだのだから、不合格でもよい……というのは誤った考え方だと思います。中学受験の挫折が息子さんの心に何らかの傷跡を残す可能性もあるのです。中学受験に挑むならば、しっかりと「合格」を勝ち取れるよう、息子さんを導いてやってください。


 それがわたしの願いです。



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矢野耕平先生は大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立。代表を務めるとともに国語と社会を担当しています。
著書として『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)など多数あります。

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プロフィール

1973年東京生まれ。大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立し、代表に就任。東京・自由が丘と三田に校舎展開している。また、学童保育施設「ABI-STA」特別顧問 も務める。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『iPadで教育が変わる』(マイコミ新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)がある。


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