矢野耕平先生の中学受験お悩み相談室

2017-07-19中学受験の家庭学習

質問

勉強する気がない我が子にやる気を出させるにはどうしたらいいでしょうか!
説得しても怒っても聞いたふりをするだけ、のらりくらりと言い訳しては部屋で遊んでいます・・・。

回答

 こんにちは。
 今回のご質問を拝読して、途方に暮れている気持ちが伝わってきました。


 勉強する気のないわが子にやる気を出させる方法とは何か。これは、長年塾講師として教鞭を執っているわたしでも「これだ」という正解を見出すことは困難です。


 ただし、確かなことがあります。自らやる気を出して学習に取り組む子どもたちに共通しているのは「学ぶことは楽しい」と感じている点です。


 お子さんが興味を示すものは何か――それを忍耐強く親が観察しつづけることが大切です。そして、そういうもの(科目学習と関りがなくてもよい)を見出したら、間髪入れずにそのことをより深く知るための材料を親が提供してやる。お子さんが嬉々としてそれに取り組み、知識を深めていく――こういう成功体験を子が味わうことが「やる気」を引き出す第一歩になります。
 興味のあることに没頭する。そういうトレーニングが常態化した子は、いずれ学習面においてもその姿勢が出てくるはずです。


興味関心


 あと気になったのは「説得しても怒っても」と書かれている点です。


 親が子に勉強させようと躍起になればなるほど、子の気持ちは勉強からどんどん遠ざかっていくものです。それは、勉強が「苦役」のように思われるとともに、勉強することが「親のため」という意識を植え付けてしまうからです。


 さて、最後に親子の会話の重要性について言及しておきます。


 自ら意欲的に取り組むことができるお子さんのご家庭に共通しているのは、保護者が小さいころから子どもとたくさん話してあげている点です。一例をあげますと、私がいままで教えた中で、「この子の学力レベルはすごいな」と感心した男の子がいました。その子の家庭は共働きで、ご両親とも忙しいのですが、幼稚園のころから週1回、必ずお父さんとお話する時間を持っていると言っていました。
 話の内容は、学校であったことなども含め、ときには哲学的な話や輪廻の話なども話題になったそうです。お父さんはお医者さんですが、「お父さんは人の命を救うこともあるけれども、殺してしまうこともあるかもしれない。そういう職業についてについてどう思うか」といった話もしていたといいます。要するに、親子で考える時間、子どもに考えさせる時間を設けていたわけです。
 これも、子の興味関心を喚起する一つの手段といえるでしょう。


 今回の回答は抽象的でしたが、これは子どもたちの特性が千差万別であるからです。一人ひとりに備わっている「やる気のツボ」の位置はちがうのです。
 きっかけづくりが上手くいき、お子さんのやる気のツボを刺激できることを願っています。



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矢野耕平先生
大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立。代表を務めるとともに国語と社会を担当しています。
著書として『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)など多数あります。
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プロフィール

中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)、『LINEで子どもがバカになる』(講談社+α新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』(文春新書)、『早慶MARCHに入れる中学・高校』(朝日新書)。現在、プレジデントOnline、こそだてオウチーノなどで記事を連載している。


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