矢野耕平先生の中学受験お悩み相談室

2020-08-31中学受験の家庭学習

質問

矢野先生、こんにちは。ゲームが大好きな小学6年の息子。勉強が終わった後、時間を決めて遊ばせていたのですが、新型コロナの影響で休校している間、ゲームの時間を短くしました。受験生ですし、塾に加え学校の宿題も多かったので、そうさせたのですが、最近成績が下がってきてしまいました。子供の大好きなことですし、息抜きだとも思うのですが、これから受験本番に向けてどうバランスをとっていけばよいか悩んでいます。


回答

 こんにちは。
 息子さんは6年生とのこと。来春の中学入試本番まであと5ヶ月ですね。今年はコロナ禍による学校休校や夏季休業短縮、塾のライブ授業の中断など「特殊」な事態が幾つも起きていて、親子ともに疲弊してしまいますよね。新型コロナウイルスも残念ながら終息の目処がついていません。学力面は当然ですが、それ以上に息子さんの「精神面」の浮き沈みを冷静に見極めながら、入試に向けて前向きに取り組めるようサポートをしてやってほしいと思います。

 なぜ、冒頭からわたしはこんな「当然のこと」を言うのでしょうか。
 それは息子さんの中学受験に対して少々焦っているように見受けられたからです。
 新型コロナによる学校休校期間、なぜゲームの時間を「長く」したのではなく、「短く」したのでしょうか。自宅にいる時間が長くなるので、その分勉強量を無理やり増やそうとしたのではありませんか。
 ここでわたしが6月30日に公開した記事に目を通してください。

【質問】小5の息子。新型コロナウイルスの影響による学校閉鎖が終わりましたが、遊び癖、怠け癖がついてしまったようです…。(2020/6/30掲載)

 この記事内で「学校も塾もない……このような環境が子どもたちにストレスを与える可能性は高いと考えます。自宅に籠りっきりになってしまうと学習意欲が減退するのは当たり前のことです」
 わたしはこう書いています。

 気づきませんか? 学習意欲がただでさえ減退してしまいやすい状況下で、息子さんの息抜きとなる「ゲームの時間」を短縮してしまったのです。これでは息子さんが前向きに学習に向かうはずはありません。キツイ言い方になってしまいますが、息子さんの成績が下がったのは、このことも大きく関係しているのでしょう。コロナ禍の自粛期間で受験勉強を上手くこなせた子たちの多くは、「勉強の時間」と「息抜きの時間」をちゃんと使い分けていますし、普段以上に後者の占める割合が高かったように感じています。

 しかし、もう過ぎたことです。
 これから中学入試直前期に突入しますが、親が考えるべきは「いかにたくさん勉強をさせるか」ではありません。お子さんが周囲からの重圧に押しつぶされることなく、「いかに前向きに受験勉強をできるか」という1点に尽きます。

 息子さんは楽しそうに学んでいますか? 志望校に向けて気合が入っていますか?
 そのどちらでもなければ、受験が上手くいく可能性は低いと言わざるを得ません。

 いまからでも遅くはありません。もう一度息子さんへの接し方そのものを見つめなおしてはいかがでしょうか。もうお分かりでしょうが、息子さんの「ゲームの時間」を長くすればそれで解決する単純な話ではないのです。
 息子さんが入試直前期を明るく過ごしてくれることを心から願っております。


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矢野耕平先生
大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立。代表を務めるとともに国語と社会を担当。
2020年度より国語専科「博耕房」という新ブランドを自由が丘に出校した。
著書に『早慶MARCHに入れる中学・高校』(朝日新書)、『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文春新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)など多数。
現在、AERA dot.(朝日新聞出版)、ビジネスジャーナル(サイゾー)、プレジデントOnline(プレジデント社)などで連載記事を担当。
中学受験業界に精通されている矢野先生へ、ぜひ受験の不安や疑問などお寄せください!




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プロフィール

中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)、『LINEで子どもがバカになる』(講談社+α新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』(文春新書)、『早慶MARCHに入れる中学・高校』(朝日新書)。現在、プレジデントOnline、こそだてオウチーノなどで記事を連載している。


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