矢野耕平先生の中学受験お悩み相談室

2021-02-09中学受験の家庭学習

質問

 先生こんにちは。今度6年生になる息子は国語がわりと得意で、暇さえ有れば読書をしています。
 低学年のころは、語彙力はあるほうだったのですが、早期のアドバンテージもなくなりつつあり、あと1年で語彙の強化をはかりたいと思っております。新聞は子供新聞を読んでおります。時間のある時は30字くらいで日記をつけて文章を書いたりしておりますが、塾のテキストでは、少しその辺が足りないので、一日で何か少しずつできるオススメの勉強やテキストなど教えていただけますと幸いです。


回答

 こんにちは。
 息子さんは読書好きなのですね。読書そのものを忌避する子どもたちが大勢いる中では、たいへんに良いことだと考えます。

 さて、懸念されている「語彙」の多寡については、中学入試の国語の得点に大きく関わってきます。
 中学入試の国語で扱われている文章に目を通してみましょう。物語文でも説明文でもいわゆる「小学生向けに書かれた作品」などほとんどありません。あくまでも大人を対象にした題材が元居られるのですね。ですから、中学入試の国語でアドバンテージを得るためには、「難解なことば」を瞬時に理解する能力が大切になるのです。これをもってしても、語彙力が必要であることが分かるでしょう。
 書店に行けば、中学受験生向けのいわゆる「難解なことば」を集めた問題集がありますが、わたしはその手の「ことばを丸暗記させる」スタイルの教材はあまりおすすめしていません。
 なぜか?
 ことばは「インプット」するだけでは不十分であり、「アウトプット」、すなわち、自分でそのことばを使用してはじめて深く体得できるものと考えるからです。

 ここで、1日5分もかからずに取り組める、とっておきの語彙修得法を紹介します。
 普段は「小学生新聞」を読んでいるとのこと。この新聞記事の1面で難解なことばを「3語」ランダムに選んでやりましょう。そして、その「3語」を必ず用いて、オリジナルの例文を80~120字で作成させましょう(2文~3文で作成してもよいでしょう)。これを毎日続けるのです。
 たとえば、「起因」「専ら」「柔軟」という3語を指定してみましょう。

 2つの例文を
《例文1》
交通事故が近くの交差点で起きた。交通事故の大半は運転手が寝不足であったことに起因する。この運転手は体が柔軟だったので、命に関わる怪我はしなかったが、次からは運転中は専らまわりの車に注意するようにすると深く反省していた。
《例文2》
あの子は体が柔軟で、専らバレエのことしか考えていない。そのため、バレエは人一倍うまい。でも、この前練習中にねんざをしてしまった。不注意が起因だったそうで、「猿も木から落ちる」とはこのことだなとわたしは思った。

 どうでしょうか?
 わたしが紹介したこの2つの例文は、実は4年前にわたしの指導した6年生二人が実際に作成したものです。
 「雨だれ石をうがつ」……こういう作業をこつこつと積み重ねていくことで、息子さんが新たに獲得することばは増えていきますし、これって記述の力をつけるための効果的な特訓にもなるのです。

 わたしの紹介したこの手法をご家庭に取り入れてみてはいかがでしょうか。
 息子さんの国語の成績が向上することを願っています。

 わたしの新刊『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)が2月19日に発売されます。中学受験生の保護者のいろいろなお悩みへの返答になる内容が盛りだくさんです。ご興味がございましたら、ぜひお手にとってください。



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矢野耕平先生
中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文春新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)。現在、AERA dot.やプレジデントOnline、ビジネスジャーナルなどで連載記事を執筆している。




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中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文春新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)。現在、AERA dot.やプレジデントOnline、ビジネスジャーナルなどで連載記事を執筆している。


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