矢野耕平先生の中学受験お悩み相談室

2021-06-30中学受験の家庭学習

質問

 小学5年生の娘。家で勉強に集中しているときは、呼びかけても反応しないくらいのめり込んでいるのですが、短い時間(10~15分くらいでしょうか…)で集中力が切れてしまいます。成績も今のところ上位なので、本格的な受験勉強に備えて、長く集中できるようになって欲しいのですが何か方法はありますでしょうか。


回答

 こんにちは。
 「ゾーンに入る」という表現があります。これは、集中力が極限にまで高まった結果、周囲の音や景色といったノイズが意識外に排除され、自らが活動に没頭できる特別な状態のことを指し示しています。大人であっても「ゾーンに入る」のはなかなか難しいものです。

 5年生のお嬢さんは短時間であれ、ゾーンに入って中学受験勉強に打ち込めているとのこと。素晴らしいですね。こんなふうに集中力を連日高められる小学生などなかなかいませんよ。
 親としては、この集中力が長くつづけばさらによい結果が生み出されるのではないかとつい期待してしまいますよね。そのお気持ちは理解できます。

 しかし、こう考えてみてはいかがでしょうか。
 ダラダラと長い時間を費やすくらいなら、いま処理せねばならないことを一気に片づけてしまいたい。お嬢様が意識的か無意識的かは分かりませんが、そんな思いが推力になってゾーンに入れているのかもしれませんね。
 とすれば、保護者が割って入り、長く集中するように働きかけてもあまり意味がない……いや、かえっていまのお嬢様の学習ペースを崩してしまう危険性をはらんでいるとわたしは考えます。

 成績的にも上位をキープしているということですので、いまのままでも問題ないでしょう。受験学年になって明確な志望校が決まれば、「合格したい」という思いが原動力になって、ひょっとしたら集中できる時間が徐々に長くなっていくかもしれませんよ。
 「短時間とはいえ、ゾーンに入れる娘は凄い! このペースでこつこつ取り組んでほしい」……保護者は決して欲張らず、あたたかな目でお嬢様の受験勉強を応援してやってほしいと思います。


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矢野耕平先生
中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文春新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)。現在、AERA dot.やプレジデントOnline、ビジネスジャーナルなどで連載記事を執筆している。




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中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文春新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)。現在、AERA dot.やプレジデントOnline、ビジネスジャーナルなどで連載記事を執筆している。


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