矢野耕平先生の中学受験お悩み相談室

2017-11-08中学受験その他

質問

勉強を見てあげる、塾の送り迎え、情報集め、精神的な支えの他に、何か親が子にしてやれることはあるでしょうか。
こういうサポートがあると受験生はもっとがんばれるというようなポイントがありましたら教えていただければ幸いです。

回答

 こんにちは。
 首都圏在住の方であれば、2月1日から始まるお子さんの中学受験まで残すところ3ヶ月弱になりました。
 この時期になると、第1志望校は決まっているものの、いわゆる「併願校」をどうしようかと頭を悩ませる保護者が大勢いらっしゃいます。
 そして、入試直前期になると、自分は果たしていまのままで第1志望校に合格できるのだろうか……と言い知れぬ不安を抱えてしまう受験生が多く見受けられます。
 保護者の子に対する大切なサポートの一つに「親子ともに後悔しない受験パターンの構築」があります。今回はその一点に絞って話をしたいと思います。


 入試が迫ってくると、どうしてもわが子が第1志望校に合格できるか……そればかり気になってしまいます。お気持ちはよく分かります。しかし、この時期に保護者がすべきなのは「第1志望校に合格できなかったら」を考えることです。
「そんな縁起でもない」……そう眉をひそめてしまうかもしれません。が、そこを考えず、第1志望校ばかり注視してしまうと、中学受験の経験それ自体が子の心に大きな傷跡を残す危険性があるのです。
 わたしが言わんとしているのは、第1志望校のみならず、第2・第3・第4志望の学校であっても、親子ともに満足できる学校を探してほしいということです。そして、その併願校の中には複数の「安全校」(偏差値ランク表で子の平均偏差値より-3~-5に位置する学校)を入れてほしいのです。
「偏差値の低い学校なんて」……そう思ってしまうかもしれませんが、学校の魅力は偏差値だけで測れるものではありません。偏差値という「色眼鏡」を外して、その学校のことを調べてみると、いままで見えてこなかったその学校独自の特長が浮かび上がってくるものです。
 そのような学校探しが、この時期、親に求められる最大のサポートとなり得るのではないでしょうか。



 大手進学塾の中には「進路指導」に重きを置かず、受験校については保護者に丸投げというスタイルをとっているところがあります。でも、そういうところほど「全敗」の子が大勢出てしまっているという話を聞きます。子の数値にしっかりと基づいた第三者からの進路アドバイスがないと、つい「欲張った」受験パターンを組んでしまう保護者が多いということでしょう。
「○○中学校○○名合格!」という輝かしい塾の実績の裏側には、幾多の無念の涙が隠されているのです。中学受験で上手くいかなかったご家庭は口を閉ざしますから、そんな失敗談はなかなか耳に入りづらいものですよね。


 お子さんは中学受験勉強に多くの時間を費やしてきたことでしょう。だからこそ、ちゃんと合格という「結果」を残せるよう、親は動いていかねばなりません。
 冒頭の「ご質問」に戻ります。
「こういうサポートがあると受験生はもっとがんばれるというようなポイント」とありましたが、子が安心して中学受験に臨める併願パターンを構築することが、逆説的ですが、子が第1志望校合格に向けて前向きに進んでいける原動力になるのだとわたしは確信しています。



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矢野耕平先生
大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立。代表を務めるとともに国語と社会を担当しています。
著書として『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)など多数あります。
中学受験業界に精通されている矢野先生へ、ぜひ受験の不安や疑問などお寄せください!




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プロフィール

1973年東京生まれ。大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立し、代表に就任。東京・自由が丘と三田に校舎展開している。また、学童保育施設「ABI-STA」特別顧問 も務める。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『iPadで教育が変わる』(マイコミ新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)がある。


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