こんにちは。受験生本人からのご質問、うれしく思います。
受験本番が近づいてきましたね。
「努力は十分にしている」……こう言い切れるのはすばらしいことじゃないですか。きっとその努力は実を結ぶはずです。大切なのは残り2ヶ月、その努力を継続できるかどうかということです。
入試直前期、ともすれば「あれもやらないと、これもやらないと」といろいろな教材につい手を出してしまいがちです。が、この時期に心がけたい「努力」のひとつとして、「いかに特別なことをやらないかという努力」があります。つまり、新しい教材に手をつけるよりも、今まで学習した教材の復習を徹底的におこなってほしいということです。(社会の時事問題集や志望校の過去問などは例外です)
入試直前期、多くの書店で「総仕上げ用」の参考書・問題集が並ぶことでしょう。『入試直前20日間完成!』なんて表記があれば、ついグラッときてしまいそうです。
入試が差し迫ってきた時期に、その焦りを見透かしたような謳い文句には「藁にも縋りたい」思いで飛びついてしまいそうです。しかし、それらの教材はしょせん「藁」に過ぎないのです。
考えてもみてください。入試直前のたった20日間で「完成」できるのであれば、何年もかけて受験勉強などしなくともよいですし、塾すら不要でしょう。それらのお手軽なキャッチコピーは「売る」ための戦術に過ぎません。
今まで学習してきたことを信じて、それらの内容の総確認をおこない、抜けがないか確かめる。この当たり前の作業を繰り返すことが合格への一番の近道だとわたしは確信しています。
あと、「ジンクス」ですか……。
「ジンクス」というより「ゲン担ぎ」として、わたしは緊張しそうな場にいくときは必ず「背伸び」をします。ちょっと心が落ち着くような気がするからです。
あなたが「今日はテストの出来がよかったな」と感じたときには、いつもとはちがう「何か」があったかどうか確認してみましょう。ひょっとしたら、いつもとはちがう行動をしていたのかもしれません。それを思い出して、同じ行動を次のテストのときにおこなってみるとよいでしょう。それでまた上手くいけば、あなただけが持つ「魔法」が完成します。ぜひ見つけてくださいね。
志望校に合格できることを心から願っています。がんばれ!
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中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)、『LINEで子どもがバカになる』(講談社+α新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』(文春新書)、『早慶MARCHに入れる中学・高校』(朝日新書)。現在、プレジデントOnline、こそだてオウチーノなどで記事を連載している。