矢野耕平先生の中学受験お悩み相談室

2018-01-09中学受験その他

質問

先生こんにちは。
朝型の生活に切り替えさせるにはどうしたらよいでしょうか。
うちの子は、せっかくの受験直前期で学校もお休み、勉強する時間がしっかり取れるというのに夜型になってしまっているのか朝ずっとぐずぐずしてなかなか起きてきません。
受験当日は午前中から試験が始まるので、その時間帯に頭が働くようその前から体調を朝型に整えておいた方が良いと聞いているのですが・・・。
部屋が寒いと言うのですが、頭寒足熱が良いと聞いたのであまりエアコンも効かせないようにしています。
夜は12時くらいまで起きているので勉強の時間が取れていないわけではないのですが、このままだと受験当日に試験の最中眠くなったりぼーっとしたりしないか心配です。

回答

 こんにちは。
 いよいよ入試直前期になりましたね。この時期は当人よりも保護者のほうが何かと胃が痛い日々を送るものです。


 わたしは以前からこの相談室でも言及していますが、この入試直前期、保護者には「いかに特別なことをしないかという努力」をおこなってほしいと考えています。
 入試本番が近いからといって、無理やり早朝に叩き起こすなんてことをしてしまうと、お子さんの生活リズムが乱れ、体調が悪くなってしまうケースがあります。


 毎日小学校に通っている子どもたちはもともと「ほぼ朝型」なのです。
 それでも、入試当日は普段よりも1時間程度早く目覚めなければならないことが多いでしょう。
 であれば、就寝時間をいつもより1時間前倒しにして、起床時間も1時間早くする、といった程度で十分な対策になると思います。(それでも朝グズグズするのは同じです。そういうものです)



 もう一度繰り返します。入試直前期だからといって特別なことを試みる必要はありません。保護者の皆さんは平常心で(あるいは、平常心であるかのようにふるまって)わが子と接してほしいと願います。


 先ほどの「朝型」に切り替えるという事例だけでなく、1月に小学校を休ませて午前中から家で受験対策に取り組むなんていう話もよく聞きます。しかし、そんな「特別扱い」が子から精神的な余裕を奪ってしまい、結果として、入試本番でガチガチに緊張してしまうなんてことになったら目も当てられませんよね。


 最後に拙著『中学受験で子どもを伸ばす親、ダメにする親』(ダイヤモンド社)を一部引用して、締めに代えたいと思います。


 私が以前担当していたご家庭のエピソードを紹介しましょう。
 入試を終えてから聞いた話なのですが、そのご家庭の子ども(女の子)が、こんな話を私にしてくれました。
「第1志望校の入試前日の1月31日、たまたま私のお風呂掃除当番だったんです。母に『明日入試だから、お風呂掃除しなくてもいいよね』って言ったら、『明日が入試なんて関係ないでしょ。さっさとお風呂掃除しなさい!』って叱られて…」
 なんてすばらしい話でしょう。この子の母親は本当に賢い人だなと感心しました。
 そうなのです。入試前日だからといって、特別な日ではないのです。その母親だって、明日第1志望校の入試を迎えるわが子が心配でたまらなかったはずです。しかし、そんな感情をぐっと抑えて、いつも通りの生活ペースを守らせる。それが、明日入試本番を目前に控えたわが子に対する最善の接し方だと判断したのでしょう。
 その子は首都圏でもつねにトップクラスの成績を保っていて、自主的に勉強に取り組む、まさに「受験生の鑑」でした。それも、こんな素晴らしいスタンスをお持ちの母親がいたからこそだと合点がいきました。


 お子さんが体調も万全、大きな自信を持って入試に臨めるとよいですね。志望校の合格を心よりお祈り申し上げます。



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矢野耕平先生
大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立。代表を務めるとともに国語と社会を担当しています。
著書として『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)など多数あります。
中学受験業界に精通されている矢野先生へ、ぜひ受験の不安や疑問などお寄せください!




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プロフィール

1973年東京生まれ。大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立し、代表に就任。東京・自由が丘と三田に校舎展開している。また、学童保育施設「ABI-STA」特別顧問 も務める。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『iPadで教育が変わる』(マイコミ新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)がある。


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