矢野耕平先生の中学受験お悩み相談室

2018-02-20中学受験その他

質問

矢野先生こんにちは。
聞いてください。
うちの夫はまったく! 子どもの勉強や学校生活に興味を示してくれません!!!
男の子なので男性親の方が話せることもあるかもしれませんし、そうでなくても母親とは違った視点で気付いてあげられることがあるかもしれません。たまにでもよいので、学校はどうだとか勉強はどうだとか話しかけてやってほしいと訴えるのですが、「勉強なんてやりたくなったらやるし、あっちから言ってこないんだから相談も別にないだろう」と休みはごろごろしてばかり!!!
まだ受験生ではありませんが、それでも受験期になったら家族一丸となってサポートするべきだというのに!!!
矢野先生もお子さんがいらっしゃるようですが受験となったらきちんと協力されるのだろうなぁと奥様がうらやましいです。
夫にも子どもの受験に積極的に参加してもらうにはどうしたらいいですか!?

回答

 こんにちは。
 一瞬、わたしの妻から寄せられたクレームではないかと縮み上がりました(笑)。


「矢野先生もお子さんがいらっしゃるようですが受験となったらきちんと協力されるのだろうなぁと奥様がうらやましい」
 こうおっしゃってくださるのは光栄ですが、残念ながらわたしはご主人と似たタイプの人間です。こういう仕事をしているのでわが子の勉強に関心が全くないわけではありませんが、「興味のないフリ」をずっとしています(そのほうが親子ともども平穏な日々を送れそうです)。
 ですから、わが子の勉強の手伝いなどほとんどしたことがありません。強いて挙げるなら、夏休みの自由研究で子の外出に付き添ったくらいです。


 お母様がご主人に立腹される理由は分かるのですが、わたしの上述のスタンスもあり、ここから先はご主人の肩をほんの少しだけ持つことをお許しください。



 お母様がどんなに働きかけても、叱っても、おだてても、ご主人のお子さんの受験に対する無関心さは変わらないでしょう。休日はゴロゴロと寝そべって動かないはずです。そういうものです。
 ここはご主人の「改造計画」を断念して、「じゃ、あなたは一生懸命働いて、金銭面で受験を支えてやってくださいね」と割り切るしかありません。


 でも、わたしはそれでよいのではないかと考えます。


 一般的に子どもたちの中学受験が順風満帆にいくことはほとんどありません。
 成績低迷で自暴自棄になり、塾をやめたくなるときもあるでしょう。
 志望校合格への光明がなかなか見出せず、焦りや不安から勉強する気力が削がれてしまうこともあるかもしれません。
 多くの受験生はそのように「山あり谷あり」の道を辿りながら、中学受験本番へと向かっていきます。


 スランプに陥った際に大切なことは、励ましのことばはもちろんのこと、お子さんに「逃げ場所」をちゃんと用意してやることです。
「たかが受験だろ? 別に命を取られるわけじゃないんだし」……そんなお気楽な考えの人がそばにいるからこそ、不調から立ち直れるケースをわたしは度々目にしてきました。
 だから、ご主人には受験を迎えるその日まで「お気楽さ」を貫いてもらったほうがよいのではないか。そのほうが、お子さんの受験にとって「吉」となるのではないかと思っています。


 ご質問の文面から察するに、お母様はお子さんの受験に対して「距離」が近いのでしょう。それはそれでよいと思います。
 しかし、もしご主人がお母様と同じベクトルでお子さんの受験に関与していたらどうなるでしょうか?
 わたしはお子さんが潰れてしまう危険性があると思うのです。


 教育雑誌やテレビドラマの影響か、最近は父親が子の受験勉強にタッチすることが珍しくなくなりました。この場合、母親が「冷めた目」を持っているならば問題ないのですが、そうでないと受験をめぐり親子の軋轢が生じてしまう可能性がやはり高くなるのです。繰り返しますが、お子さんに「逃げ場所」がなくなってしまうからです。


 最後に老婆心ながら……。
 お子さんの受験にそれまで「無関心」だったはずの父親が、中学入試直前期に「そんなレベルの学校なら受けさせない!」とか「俺はこの学校がオススメだけどなあ」などと突然口をはさんできて、母子を困らせることがなぜだかよくあるのです。そうならないように、「子の受験のことはわたしに全面的に任せてください」とご主人に対して予防線を張っておきましょう。このことをお忘れなく。



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矢野耕平先生
大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立。代表を務めるとともに国語と社会を担当しています。
著書として『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)など多数あります。
中学受験業界に精通されている矢野先生へ、ぜひ受験の不安や疑問などお寄せください!




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プロフィール

中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)、『LINEで子どもがバカになる』(講談社+α新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』(文春新書)、『早慶MARCHに入れる中学・高校』(朝日新書)。現在、プレジデントOnline、こそだてオウチーノなどで記事を連載している。


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