こんにちは。
中学受験が終わったとのこと。お子さんだけでなく、保護者にとっても気苦労が多かったことでしょう。進学先が無事に決まってよかったですね。お疲れ様でした。
さて、中学入試の合格発表の帰り道、校門から出ると中高一貫校に通う子どもたちを対象にした塾・予備校がパンフレットを配布していたり、合格した同級生たちが中学受験を終えてすぐに新しい塾に通い始める光景を目の当たりにしたり……こんなことがきっかけとなり、「わが子が中学校の授業にちゃんとついていけるのか」という保護者のご不安が一層煽られてしまうものです。
わたしは、長い間中学受験勉強に専心してきたお子さんがすぐに塾に通う必要はないと考えています。次に塾通いを検討するのは、(部活動を含め)中学生活のペースに慣れて、かつ苦手な科目がはっきりした時点でよいのではないかと思います。ただ、お子さんの学習意欲が旺盛で「すぐに塾通いしてレベルの高いことをどんどん学びたい!」と張り切っているのなら、早期の塾通いにも意味があるのかもしれません。
「なんだか塾通いしないと不安で……」という漠然とした動機であれば、通わないほうが吉と出るような気がします。
実際、多くの中高一貫生を取材する中で、「中学校に入る前から塾に通っている子はたいてい成績面で途中から失速する」という声をたくさん聞いています。
せっかく受験勉強から解放されたのですから、この時期は友だちと遊んだり、読書に打ち込んだり、新しい趣味や習い事を開拓したり……そんなワクワクするような毎日を過ごしてほしいと思います。それでも勉強が不安で……ということなら、書店で並べられている英語・数学の「中学入門編」的な位置づけの薄い教材を与えてやらせておきましょう。それで十分です。
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中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文春新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)。現在、AERA dot.やプレジデントOnline、ビジネスジャーナルなどで連載記事を執筆している。