矢野耕平先生の中学受験お悩み相談室

2018-10-31中学受験その他

質問

 4年生の子を持つ母親です。
 わたし自身、中学受験の経験がありません。
 夫は中学受験の経験はあるものの、よく覚えていないし今とは状況が違うだろうと申しています。
 親子で話し合い、子を中学受験に向けてがんばらせようということになりました。
 しかしながら、中学受験経験のないわたしとしては子に何をしてやったらよいのか見当もつかず、どういう態度で臨めばいいのかもわかりません。
 中学受験をしたことのない親が子の中学受験に対してどのように接すればよいのか、お教えください。

回答

 こんにちは。
 結論から申し上げると、中学受験に臨む子の保護者が同じように中学受験経験者である必要はありません。むしろ、中学受験経験者は自身の先入観をなかなか変えられず、いまの中学入試の姿をなかなか受け入れられない場合もあります。
 ですから、親に中学受験経験がないからといって、子の受験で何か不利に働くようなものはありません。保護者世代が小学生だった頃と比較すると、いまの小学生の中学受験率のほうが高いですし、選べる学校の数も増えています。そう考えると、親が中学受験未経験者であることは普通のことであり、劣等感を抱くことではありません。


 わたしの手元には30年前と20年前の「学校別偏差値一覧表」がありますが、当時といまでは学校の形態も序列も大きく様変わりしています。
 たとえば、30年前は難関校の一角に位置していた学校が、いまは定員割れ(受験者数が募集人員を下回る状況)を引き起こしていたり、反対に、30年前はレベルの低かった学校が、いまや難関校として多くの受験生の憧れの対象だったりします。また、以前は算数・国語の2科目で受験できる学校がたくさんあったものの、いまは4科が主流になっていたり、あるいは、ちょっと変わった形態(作文や自己PRなど)の入試制度を導入していたりします。
 中学受験指導に長年従事しているわたしでさえ、これらの変化の目まぐるしさを実感しているのですから、保護者の方にとってはなおさらその変化にびっくりさせられることでしょう。
 ですから、お父様のおっしゃる「今とは状況が違うだろう」ということばはその通りです。お父様は子の中学受験に際して現状に即した冷静な見方をされる方ではないかと感じました(とてもよいことだと思います)。



 それでは、子の中学受験に対してどのように接していけばよいのか。


 お子さんはこれから中学受験塾に通われるのでしょうが、基本的には塾の予習・復習を計画的に取り組めるよう1週間の学習スケジュールを管理したり、子が塾の学習に打ち込む様子をじっくりと観察したり……そのような関与の仕方で十分だと考えています。保護者は何か「特別なこと」をしようと気張る必要は一切ありません。
 お通いの塾と定期的にコンタクトをとりつつ、その都度、学習に関すること、受験学年になれば進路面に関することの助言を仰ぎつつ、わが子の中学受験をサポートしていってほしいと思います。


 これから3年間、中学受験を通じて親子の絆がより深まること、そして、お子さんが希望する中学校に合格する日がくることを応援しています。



中学受験に関する相談や質問を受付中です!

毎月、お寄せいただいたお悩みの中から先生が2つを選んで上旬と下旬に回答いたします。(お悩みを採用させていただいた場合でも、ご連絡はしておりません)
すべてのご相談には回答できませんので、あらかじめご了承ください。また、個別のご質問に対して、メールでの直接回答はいたしかねますので、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。


矢野耕平先生
大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立。代表を務めるとともに国語と社会を担当しています。
著書として『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)など多数あります。
中学受験業界に精通されている矢野先生へ、ぜひ受験の不安や疑問などお寄せください!




  • はてなブックマークに追加
  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • Google+でシェア


テーマ一覧

ブログ内検索

プロフィール

1973年東京生まれ。大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立し、代表に就任。東京・自由が丘と三田に校舎展開している。また、学童保育施設「ABI-STA」特別顧問 も務める。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『iPadで教育が変わる』(マイコミ新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)がある。


月別

以前の月を見る

編集部オススメ