矢野耕平先生の中学受験お悩み相談室

2018-11-09中学受験その他

質問

 最近ウェブ教材など色々出てきましたが、あれは子どもの学習に効果があるのでしょうか?
 うちの子もたまにやっていますが、学ぶというよりゲーム感覚でやっているように感じられてなりません。
 問題集に取り組みなさいと言うと、つまらないから嫌だと拒絶します。
 答えを選び、合っていただの間違っていただのとその場で一喜一憂するより、きちんと自分で答えを書いてどこが間違っていたのか見直せる問題集の方が良いと思っています。
 そうはいっても、ウェブ教材だって学習に関するものなのでやめなさいとは言いづらいです。
 どうしたらいいでしょう。

回答

 こんにちは。
 最近はタブレットを利用して通信添削をおこなったり、授業の動画が見られたり……比較的「アナログ」的な側面が強いとされる教育業界にあっても、デジタル化がどんどん進んでいます。
 さて、わたしは『iPadで教育が変わる』(マイコミ新書)、『LINEで子どもがバカになる』(講談社+α新書)という表題だけを見ると、矛盾した二冊の本を著しています。
 わたしが「デジタル教材」をどう見ているか。それを前者にまとめていますので、ここでその一部を引用したいと思います。



「子どもたちが学ぶことに興味を抱く条件はただひとつ。それは『何だか面白そう』という感覚を持つことだ。それを考えるならば、ビジュアル的に圧倒的な優位性を持ち、かつ、ゲーム性を持たせることができるデジタルガジェットが子どもたちの学びを喚起させる可能性は十二分にある。
子どもたちはiPadからすべてを学ぶのではない。iPadをスプリングボード(契機)として学んでいくのである」(矢野耕平『iPadで教育が変わる』より一部抜粋)





 わたしはデジタル教材に対して決して否定的ではありません。
 子の興味関心を引き出す「きっかけづくり」として、それらの教材は効果的だと考えています。
 実際にお子さんはゲーム感覚でデジタル教材を楽しんでいますよね。


 ただし、お母様が憂慮されるように、デジタル教材で一問一答形式の問題に取り組むだけでは、十分な学力は身につきません。換言すれば「書く能力」と「覚える能力」は紙ベースのものでなければなかなか鍛えることはできないと考えています。
 「書く」とは紙に文字を刻む作業です。文字を刻みつけることによって、視覚だけでなく触覚も合わさった上で、刻んだ事柄を体得していくのです。紙に文字を「書く」ことの効用は記憶術の世界でもその重要性は指摘され、何ら疑うところはありません。


 わたしは「デジタル教材」「紙ベースの教材」を別個のものとして考えて、それぞれ時間指定をおこなってお子さんが取り組むよう導いてやってほしいと願います。



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矢野耕平先生
大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立。代表を務めるとともに国語と社会を担当しています。
著書として『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)など多数あります。
中学受験業界に精通されている矢野先生へ、ぜひ受験の不安や疑問などお寄せください!




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プロフィール

1973年東京生まれ。大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立し、代表に就任。東京・自由が丘と三田に校舎展開している。また、学童保育施設「ABI-STA」特別顧問 も務める。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『iPadで教育が変わる』(マイコミ新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)がある。


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