こんにちは。
漫画「しか」読まないということであれば心配ですが、漫画だって一つの「読書」だとわたしは鷹揚に構えるようにしています。
漫画は場面展開が早く、瞬時にいま目を通している場面を理解する能力が求められます。
また、登場人物の気持ちが「言動」「表情」などにはっきりとあらわれているため、心情を把握する力を培うという側面もあります。
息子さんの国語の成績は極端までに良いとのこと。ひょっとすると、漫画だって少しは貢献しているように思うのです。
さて、それでも宿題をさぼり、漫画を読むというのはよろしくありません。
それではどうしたらよいか。
わたしは漫画を読んでいい時間を明確化するか、漫画を読んでも良い条件を明文化することが必要だと考えます。
前者であれば、たとえば、月曜日・水曜日・金曜日の16:00~17:00などと決めるとよいでしょう。後者であれば、塾から課された宿題をしっかり仕上げて、親がそれをチェックし、それをクリアした段階で漫画を与えるようにするといいと思います。
要するに、漫画を読んでもよい、読んではいけないという「線引き」をはっきりさせることが肝要です。ルールをしっかりと定めることでメリハリのある生活を送ることがとりわけ受験期は大切になるのです。
お母様のおっしゃるように、入試は国語だけでは決まりません。算数、理科、社会をそれぞれバランスよく学習することが求められています。そのバランスを上手にとりながら、大好きな漫画にも没頭していく……そんな1年間を過ごしてほしいと願っています。
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中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文春新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)。現在、AERA dot.やプレジデントOnline、ビジネスジャーナルなどで連載記事を執筆している。