矢野耕平先生の中学受験お悩み相談室

2019-02-25中学受験その他

質問

 先生はじめまして。小5の息子がいる母親です。
 息子には仲の良い友人がいるのですが、その子がある私立中学を第1志望にしたので、自分も同じ学校に行きたいと言い出しました。親としては、そこよりも偏差値の高い中学に挑戦してもらいたいのですが……。さらに、学習の進め方についても友人のペースに合わせるなど(友人のほうがゆっくりしているイメージです)、影響が大きすぎるように感じます。親として子ども同士の友情はもちろん尊重したいのですが、息子の実力にあわせてベストな選択をしてほしいと思います。どのようにアドバイスすれば良いでしょうか。

回答

 こんにちは。
 お話を伺うと、息子さんとそのお友だちは同じ小学校、同じ塾なのでしょうか。
 この前提で回答をしたいと思います。
 まず、中学受験は団体戦ではありません。「個人戦」です。
 どんなに仲の良い友人がいたとしても、その友人と「一体」となって学ぶことなどできません。
 勉強に打ち込み、膨大な知識を吸収し、そして数々の問題に取り組むのは息子さん「個人」です。

 もちろん、仲の良さを否定するつもりは全くありません。息子さんにとっては生涯にわたって付き合うかけがえのない友人になる可能性だってあります。でも、「受験」という側面から考えると、この2人を物理的に引き離した方がよいでしょう。
 お母様のおっしゃる通り、息子さんが友人の「ゆったりとしたペース」に合わせているようであれば、これは問題です。反対に、友人が息子さんの「ハイペース」に刺激を受けて学習しているのならばよいと思いますが……。

 厳しいことを言うようですが、息子さんには転塾をすすめます。

 話から察するに、いまは小規模な塾に通っているのでしょう。そういうところではなく、学力別クラス編成を敷いた規模の大きな塾に軸足を移したほうが良い結果が出ると思います。
 ひょっとすると、息子さんが転塾したら、そのご友人も一緒に転塾するかもしれません。
 それはそれで一向に構わないと思います。お母様の見立てが正しければ、おそらく二人のクラスは一緒にはならないでしょうし、より大勢の同級生たちに囲まれれば、二人の「濃度」は自然と薄まっていくと考えられるからです。
 そうなると、ご友人の志望校に引っ張られることなく、息子さん自身が通いたいと思える学校が新たに出てくると思いますよ。



 最後に老婆心ながら……。
 一つ気になったのは、お母様のご相談の行間から「友人」に対する不満が透けてしまっているように思ってしまった点です(そうでないことを願います)。わたしが問題視しているのは、自分よりもゆったりとしたレベルに合わせて学習してしまっている息子さんの学習姿勢です。
 そのご友人を息子さんの前で貶めたり傷つけたりするような発言は一切控えた上で、息子さんに新しい環境を用意してやってほしいと思います。


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矢野耕平先生
大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立。代表を務めるとともに国語と社会を担当しています。
著書として『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)など多数。2018年12月上旬に「旧名門校 VS 新名門校 今、本当に行くべき学校と受験の新常識がわかる! 」(SB新書)が刊行。
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プロフィール

1973年東京生まれ。大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立し、代表に就任。東京・自由が丘と三田に校舎展開している。また、学童保育施設「ABI-STA」特別顧問 も務める。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『iPadで教育が変わる』(マイコミ新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)など多数。2018年12月上旬に「旧名門校 VS 新名門校 今、本当に行くべき学校と受験の新常識がわかる! 」(SB新書)が刊行。


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