こんにちは。
自粛期間中、ひたすら国語と社会の家庭学習に打ち込めた息子さん、すばらしいじゃないですか!
小学校や塾という「学び舎」を失った中学受験生たちの多くは、自らカリキュラムを進めるのに四苦八苦しています。それを考えると、息子さんは立派です。しかも、お母様が付きっきりで勉強を見ているわけではないとのこと。5年生にして自立心がちゃんと培われているのですね。
算数・理科の分からないところは付箋を貼り、息子さんはこれから講師に質問するのでしょう。そのたくましい姿勢にも感服しました。
算数と理科の成績が国語と社会に比べると劣ってしまっているのは、ほんの一時期だけと考えます。分からなかったところを丁寧にひとつひとつ解決していければ、自ずと成績が伸びていくはずです。
大切なのは、親が焦らないことです。
「今後巻き返さないと!」というプレッシャーを親が勝手に背負ってしまい、あれもこれも息子さんに要求するようになると、結果として息子さんのモチベーションを下げてしまうことになりかねません。
まだ中学入試本番で1年半あるのですから、泰然自若とした姿勢を貫くべきです。
もし息子さんの勉強面で今後不安なことが出てきたならば、塾の講師にためらわずに相談をしましょう(できれば、息子さんに相談したことを内緒にしてもらって)。第三者だからこそ的確なアドバイスがあるでしょうし、それを親経由ではなく、息子さんに直接指導してもらえるようお願いしてみてください。
「私は勉強を教えることができず、子どもに申し訳ない……」とありましたが、そんな罪悪感を抱く必要はありません。息子さんは自力で学習を進めて、高いレベルにいるのですから。親が干渉しなかったからこそ自ら学べる姿勢を育めたのだと前向きに考えましょう。これから先も親子はその関係性を維持するのが一番良いと思います。
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中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文春新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)。現在、AERA dot.やプレジデントOnline、ビジネスジャーナルなどで連載記事を執筆している。