こんにちは。
2021年度の中学入試本番が近づいてきました。
今回は《特別企画》として「入試1週間前」「入試前日」「入試当日」の3点に分けて、お子さんが入試に集中するための留意点をお伝えします。
①無理やり「朝型」にしない
毎朝小学校に通っているお子さんはそもそも「朝型」です。無理な早起きは体調を壊すきっかけにもなります。小学校に通う時間の間際になってギリギリに目覚めるようなタイプの子は,普段より30分~1時間程度早く起こして、ちょっとした朝学習をやらせてもよいでしょう。
②体調面以外の理由で塾は休ませない
「あれもやらなければ、これもやらなければ」と余裕をなくすと、「塾に通わないほうが『効率』のよい学習ができるのではないか」などとつい考えてしまいますが、それは違います。塾だからこそ密度の濃い取り組みができるのですから、最後までお通いの塾を信じて、通い続けましょう。
③「普段通り」を心がけましょう
入試直前期だからといって、お子さんを「腫れ物」扱いしたり、いつもとはちがう生活スタイルを取り入れたりすると、親子ともにその緊張感、不安感を増幅させるだけです。入試間際は「いかに特別なことをしないか」という「努力」が求められます。
④各校の「コロナ対応」に気を付けましょう
受験校のwebサイトを随時チェックしましょう。2021年度入試はコロナ禍による「変則対応」をおこなう学校が多く、これからの感染者数の増減によって、試験直前にその対応に変更が見られる可能性があります。当日、親子が落ち着いて入試に臨むために事前の下調べは入念におこないましょう。
⑤新しい「問題集」「参考書」に手を出さない
この時期に新しい問題集や参考書に手を出すと、初見のものが登場して不安に駆られてしまうことがあります。いままで取り組んできた教材の復習を丹念にやればよいのです(苦手科目・苦手な単元を中心に)。
入試前日は、試験当日になって慌てないように「持ち物」をしっかり用意しましょう。
一例ではありますが、「持ち物」には次のようなものがあります(学校によってそれぞれの指示がありますので、そちらにも気をつけてください)。
*受験票 *鉛筆・消しゴム *予備の筆記用具 *腕時計 *現金 *交通系ICカード
*定規・コンパス・分度器(学校によっては持ち込み禁止のところも) *常備薬
*弁当(必要な場合) *水筒 *参考書など(なるべく軽いもの) *上履き(必要な学校のみ)
*雨具・替えの靴下 *ハンカチ・ポケットティッシュ など
①試験には余裕を持って出発する
受験生集合時刻の30分前くらいに校門を通過するイメージで会場に向かいましょう。「早すぎず、遅すぎず」がポイントです。車での移動は渋滞に巻き込まれる恐れがありますので、ご注意ください。公共交通機関であっても何らかのトラブルで遅延することもあります。そのような場合は、遅延証明書を手に入れて試験会場で提出すればどの学校もちゃんと対応してくれます。肝心なのはそのようなトラブルが生じたときに焦らないことです。
②忘れ物をしたら
筆記用具などはコンビニで購入することができますが、受験票などを忘れた場合は速やかに学校にその旨を伝えてください。
③試験会場の注意点
試験会場には「脱ぎ着しやすい」服装で行きましょう。教室によって、場所によっては暑すぎたり寒すぎたりという場合があります。また、携帯電話・スマホは校門をくぐる前にちゃんと電源を切っておきましょう。試験会場に着いたら、まずはお手洗いの確認をしておきましょう(先に用を済ませておくとよいですよ)。最後に、試験会場でお友だちと偶然出会っても、簡単な挨拶程度に留めましょう(試験の合間の休み時間も同様)。ほどよい緊張感が失われてしまうことになります。
連日のように合否発表があるでしょうが、「合格」であれ「不合格」であれ、すぐに塾の担当の先生に連絡を入れてください。塾講師たちは結果連絡をいまかいまかと待っていますし、とりわけ「不合格」の場合は翌日以降の入試のアドバイスなども聞かせてもらえるはずです。
皆さんのお子さんが笑顔の春を自らの手で切り拓けることを願っております。
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中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文春新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)。現在、AERA dot.やプレジデントOnline、ビジネスジャーナルなどで連載記事を執筆している。