こんにちは。
周囲の方がおっしゃっている「中学受験をして中学に進学したが、系列高校への内部進学率が低いため、高校受験の準備をせねばならない」というのは、かなり特殊な学校だと思います。
思い当たるのは、国立大学附属の中学校(しかも、ほんの一部の学校)です。
大半の私立中学校はよっぽどのことがなければ高校にはエスカレーター式に進学できますので、そこはご安心ください。
ご不安であれば、お子さんが受験する可能性のある私立中高の説明会に訪問したり、電話で直接問い合わせてみたりして、高校への内部進学状況について尋ねてみてください。ほぼ全員進学しているという回答が得られるはずです(その際、どういう子が内部進学できなかったのかも聞き出すとよいでしょう)。
お母様のおっしゃるように、せっかく中学受験を終えたなら、しばらくはお子さんを受験から解放してやりたいものですよね。私立中高一貫校の良さのひとつはその点にあります。多感な中高時代に「高校受験」で中高生活を遮断されない分、部活動をはじめ好きなことに「継続的」に打ち込める環境は魅力的なものです(系列大学への進学率が高い附属中高ですと、この期間はさらに長くなります)。もちろん、学校での勉強に日々しっかり取り組んでいくことが前提となります。
最後に、周囲の上級生が中学受験をするのでわが子もなんとなく……とありましたが、「なんとなく」で乗り切れるほど中学受験は甘くありません(とりわけ5年生・6年生の学習はかなりハードです)。
なぜ中学受験に挑むのか? 何が中学受験で得られるのか?
この2点についてまずは考えてほしいと思います。
そして、中高一貫校でわが子を学ばせたい……という結論が出たら、そのときはお子さんの背中を迷わず押してやってください。
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中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文春新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)。現在、AERA dot.やプレジデントOnline、ビジネスジャーナルなどで連載記事を執筆している。