矢野耕平先生の中学受験お悩み相談室

2019-05-13中学受験の学校選び

質問

 先生、こんにちは。
 3歳から水泳を続けている小4の息子がおります。
 息子は水泳が大好きで、所属しているクラブの大会で入賞するなど、そこそこの成績を収めています。
 現段階では、水泳を通して子供の能力を伸ばしてもらえる環境というスタンスで志望校を絞り、中学受験を考えております。
 ただ、子どもの将来を考えますと、このままスポーツを続けるのか、もっと偏差値の高い中学を目指し、勉強させたほうが良いのか悩みます…。
 中学受験とスポーツをどのように考えたら良いでしょうか?

回答

 こんにちは。
 息子さんは水泳が得意なのですね。泳ぐことが苦手なわたしは憧れてしまいます。
 息子さんがこれから先も水泳を続けていきたいという確固たる意志があるのならば、継続的に水泳に取り組んでいくべきだと思います。スポーツであれ音楽であれ、心技体のバランスを維持しながらその向上に努めなければならない習い事は、「間を空けてしまう」ことはできる限り避けたいものです。どれも元の状態(レベル)に戻すには、休んだ期間の何倍もの時間が必要と言われています。

 さて、ご質問を拝読していて引っかかる点がありました。
 それは「水泳」か「中学受験」のどちらを取るかという二択でお考えのところです。
 どちらも両立しながら進めていくという道は(息子さんの性格にもよりますが)考えられないものでしょうか?

 わたしの経営する中学受験専門塾スタジオキャンパスでもハードな習い事と両立しながら、見事に志望校合格を果たした子は大勢います。
 たとえば、シンクロナイズドスイミングの強化選手として活躍していた子は、週3回の塾通いの日以外はずっとプールに通っていました。
 少年野球のエースとして秋口まで大会に参加していた子もいます。
 12月の下旬におこなわれるバレエの発表会で主役を張った子もいます。
 そう、これらはすべて受験生(6年生)の話であり、昨年、一昨年の事例です。
 彼ら彼女たちに一脈通じているのは「時間の使い方が抜群に上手い」点です。
 習い事に精励している子たちはほかの受験生たちよりも「時間の重み」を感じていたのかもしれません。そして、何か一つのものに秀でている子は、物事に集中するという姿勢が出来上がっていることが多いのです。彼ら彼女たちはちょっとした隙間となる時間を利用した勉強を積み重ねて、成績を向上させ、見事に難関校合格を実現したのです。
 もちろん、口で言うほどこれは簡単な話ではありませんが、水泳と勉強を両立できるか否かをいま一度熟考してほしいと願っています。

  老婆心ながら、最後に一言。
 息子さんが納得しないまま、中学受験のために「水泳」を取り上げるようなことは絶対にしないでください。このような子は中学受験勉強を「自ら取り組むもの」という意識が持てず、「やらされているもの」という感覚になってしまいます。こうなってしまうと、学力伸長を図るのは難しくなってしまうでしょう。


中学受験に関する相談や質問を受付中です!

毎月、お寄せいただいたお悩みの中から先生が2つを選んで上旬と下旬に回答いたします。(お悩みを採用させていただいた場合でも、ご連絡はしておりません)
すべてのご相談には回答できませんので、あらかじめご了承ください。また、個別のご質問に対して、メールでの直接回答はいたしかねますので、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。


矢野耕平先生
大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立。代表を務めるとともに国語と社会を担当しています。
著書として『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)など多数。2018年12月上旬に「旧名門校 VS 新名門校 今、本当に行くべき学校と受験の新常識がわかる! 」(SB新書)が刊行。
中学受験業界に精通されている矢野先生へ、ぜひ受験の不安や疑問などお寄せください!




  • はてなブックマークに追加
  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • Google+でシェア


テーマ一覧

ブログ内検索

プロフィール

1973年東京生まれ。大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立し、代表に就任。東京・自由が丘と三田に校舎展開している。また、学童保育施設「ABI-STA」特別顧問 も務める。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『iPadで教育が変わる』(マイコミ新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)など多数。2018年12月上旬に「旧名門校 VS 新名門校 今、本当に行くべき学校と受験の新常識がわかる! 」(SB新書)が刊行。


月別

以前の月を見る

編集部オススメ