矢野耕平先生の中学受験お悩み相談室

2021-03-10中学受験の学校選び

質問

 4月から6年生になる息子ですが、今まで「いい学校に行くと両親が喜ぶから」という理由で勉強してきたらしく、プレッシャーでつぶされそうになっています。しんどそうなので受験をやめてもいいと勧めましたが、やめたくないといいます。親や周りに認められたいから、という理由で受験をしたり、志望校を決めたりしても、良いものでしょうか…。


回答

 こんにちは。
 なかなか回答が難しいですね。情報量が少なくて、ご家庭の環境やお子さんの様子が見えてこないもので……。ですから、わたしの回答に的外れなところがあるかもしれませんが、それはご容赦ください。

 息子さんは「いい学校に行くと両親が喜ぶ」となぜ考えるようになったのでしょうか。
 「周囲に認められる」ための付加価値を中学受験結果に小学生が自ら求めようとするのは、ことばは悪いですが、少々奇異に映ります。
 換言すれば、息子さんはご両親をはじめ、周囲から認められてこないような環境で生きてきたのでしょうか。あるいは、ご両親から一流校に進学せねばならないというプレッシャーを与えられてきたのでしょうか。

 そして、わたしが引っかかりを覚えたのは息子さんが口にする「いい学校」という表現です。
 「いい学校」とは何でしょうか? 東大に多く合格者を輩出する学校ですか? 偏差値65以上にランク付けされている学校ですか?

 具体的に「○○中学校」に進学したい、というなら分かります。しかし、「いい学校」がかなり漠然としているのです。おそらく周囲から「おお、凄いね!」と一目置かれるような学校を指しているのでしょうが、それって健全な尺度とはいえないように感じます。明確な目標がないから中学受験勉強にしんどくなっていることも十分考えられます。

 さて、彼がこのまま中学受験をすべきか否か。もう一度、ご両親と息子さんでじっくりと話し合いの場を持つべきだと考えます。その際に「あなたががんばっているだけで十分だよ」といった旨のことを伝えてやってください。加えて、現状の成績を基準に「挑戦校」だけでなく「安全校」となるような中学校を調べたり、見学したりする機会を持ってください。

 どんな中学校であれ、息子さんの心持ち次第で「いい学校」にも「わるい学校」にもなります。

 最後に息子さんへのメッセージを記します。
「中学受験なんてただの『通過点』。大切なのは、入学した学校で楽しく過ごせるかどうかです。どんな学校でも『いい学校』になる可能性はある。それを決められるのはあなたしかいないのです」


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矢野耕平先生
中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文春新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)。現在、AERA dot.やプレジデントOnline、ビジネスジャーナルなどで連載記事を執筆している。




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プロフィール

中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文春新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)。現在、AERA dot.やプレジデントOnline、ビジネスジャーナルなどで連載記事を執筆している。


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