矢野耕平先生の中学受験お悩み相談室

2021-06-15中学受験の学校選び

質問

 小5の保護者。2年前に転勤のため東京に来ました。初めは子供の意思により、中学受験はしない意向ではありましたが、都内は中学受験に挑戦する家庭が多く、受験に関する情報をよく耳にします。我が家も3年生からいくつか塾の見学に行き、夏期講習も受けたことがあります。どのような難易度なのか中学受験の難しさは全くの素人のためわかりませんが、中学の情報をネットで調べていて、某国立中学校の校風が素敵だと感じています。私自身の気持ちが揺れているだけなのですが、アドバイスいただけますと幸いです。


回答

 こんにちは。
 いま5年生ということならば、中学受験勉強をはじめるタイミングとしてはかなり遅いほうですね。間に合うか間に合わないか(某国立中学校に合格できるか否か)は正直ここでは回答できません。お子さんのそれまでの学習状況やこれからの取り組みによって間に合うこともあれば、間に合わないこともあるからです。ただし、このタイミングでの中学受験勉強はお子さんに相当の負荷をかけることは間違いありません。

 中学受験塾の大半は、5年生から一気に学習量が増え、さらに子どもたちに求められるその質が高くなる傾向にあります。5年生・6年生というハードな2年間をこなすための「助走」として、多くの子どもたちは早期の塾通いを始めているのです。

 わたしがご質問の中で気になっている部分があります。
 それは「初めは子供の意思により、中学受験はしない意向ではありました」というところです。

 お子さんのご意思はその後大きく変わったのでしょうか。それとも、かつてと同様に中学受験はしたくないという考えなのでしょうか。厳しい話ではありますが、後者であれば中学受験は避けたほうがよいでしょう。親ばかりが先走ってしまっても上手くいくわけはありませんし、お子さんが保護者の意向に仕方なく従ったとしても、ハードな中学受験勉強はお子さんが前向きに打ち込むからこそ取り組めるという性質があります。

 反対に、お子さんが中学受験をしたいという思いがある場合、思い切って塾通いを始めてみてもよいでしょう。ただし、中学受験は「期限付き」の世界です。残すところ1年半でお子さんの成績が順調に伸びて某国立中学校に合格できる可能性はもちろんあるとは思いますが、一般的にはそうはならない可能性の方が高いでしょう。とするならば、保護者がお子さんと都度相談しながら、「幅を持った」志望校選択をする必要が出てきます。子どもたちは中学受験勉強のために膨大な時間を費やします。中学受験に舵を切ると決めたなら、「どこかの国私立中学校には進学する」という前提で臨むべきかと思います。「偏差値○○以上の学校でなければ進学する価値はない」というお考えであれば、中学受験の世界に足を踏み入れないほうがよい気がします。

 これを機に、首都圏の中学受験について、国私立中学校について書籍などを活用していろいろと調べてみてください。そして、中学受験をするか否かについて親子で膝を突き合わせてみてください。


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矢野耕平先生
中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文春新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)。現在、AERA dot.やプレジデントOnline、ビジネスジャーナルなどで連載記事を執筆している。




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プロフィール

中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文春新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)。現在、AERA dot.やプレジデントOnline、ビジネスジャーナルなどで連載記事を執筆している。


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