矢野耕平先生の中学受験お悩み相談室

2021-08-31中学受験の学校選び

質問

 小6男子の保護者です。息子は大手進学塾へ3年から通っています。塾ではずっと上位クラスにいます。プライドが高く、御三家に行きたいようですが、精神年齢は決して高くありません。勉強への意欲はあまりないのですが、上位クラスにいたいようで渋々やっています。
 一方、小学校ではあまりよい成績表をいただけません。何度も声をかけてきましたが、主要教科でも良い成績にはなりませんでした。字も雑で、机の中もぐちゃぐちゃのようです。最近は塾でも詰めが甘いようで、どの教科でも雑さを指摘されるようになってきました。
 親としては自由な御三家より管理型の中学や大学附属に通ってほしいのですが、本人が乗り気になりません。このようなケースではどのように学校選びをしたらよいのでしょうか。


回答

 こんにちは。
 受験生にもかかわらず、整理整頓ができない粗忽な子って案外多くいるものです。そして、その大半が男子です。これってどういうことなのでしょうね……。

 上記のような状態の息子さんに対する志望校選びですが、「本人の望む校風の学校を選ぶ」のが良いとわたしは考えます。息子さんは管理型の学校に気が向かないということですので、そこは本人の意に沿わない学校を押し付けるのはよくありません。中高生活で上手くいかなかったとき、親のせいにされたら堪ったものではありませんよね。そして、何より中高6年間その学校に通うのは息子さんなのです。中高6年間で起こる良いことも悪いこともすべて息子さんの身に降りかかってくるのです。

 また、管理型の学校に行けば、だらしない状態が改善できるというのは幻想です。息子さんの雑さが原因で、きっちりと構築されたカリキュラムから脱落することだって十分考えられるのです。

 さて、息子さんの「雑さ」への保護者の対応策は「中学入試まで」と「中学入学後」の2段階で考えましょう。
 結論から言うと、残すところ5ヶ月後にやってくる中学入試本番までにその欠点が全面的に修正できることはありません。保護者が焦って「自主性」を求めても、息子さんは混乱し、成績面で逆効果になる可能性が高いでしょう。ただし、「合格」するために次の点は徹底して指導してください。

①「ケアレスミス」という表現を使わない
「ケアレスミス」ということば自体「現実逃避」に好都合な表現です。息子さんにはそのミスも含めた「実力」であることを伝え続けるとともに、毎回のミスを見直し、訂正する作業を徹底させましょう。

②「過去問」の丸付けは厳しくしましょう
 息子さんのプライドが高いということですから、そこを逆手にとって「過去問」は「読みづらい字」があればバツを付けて、危機感をあおりましょう。補足ながら、男子校は雑な字に寛容なところが多いですが、それでも「漢字の書き取り」は厳しく採点する傾向にあるようです。

 最後に、「中学入学後」の話です。
 息子さんがだらしないのはひょっとすると「結局は親が助けてくれる」という甘えがあるのかもしれません。
 中学入学後は「あなたはもう中学生でしょ。自分で考えて、自分で動きなさい」と、できるだけ生活習慣や学習面の手助けをしないでほしいと思います。突き放してください。
 たとえば、それで成績面で痛い目をみてもいいじゃないですか。「いまのままじゃマズい」ということを息子さんが自覚しなければ何も事態は変わらないのです。
 中学生活の前半で多少転んだところで、挽回できる時間はたっぷりあるのですから。


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矢野耕平先生
中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文春新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)。現在、AERA dot.やプレジデントOnline、ビジネスジャーナルなどで連載記事を執筆している。




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中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文春新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)。現在、AERA dot.やプレジデントOnline、ビジネスジャーナルなどで連載記事を執筆している。


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