矢野耕平先生の中学受験お悩み相談室

2016-09-29中学受験の勉強法

質問

小6の娘を持つ母です。
夏休みにたくさん勉強をしたにもかかわらず、9月のテストで成績が下がってしまいました。
入試本番まであと数ヶ月というタイミングで、娘も落ち込んでいます。
これからどのような姿勢で受験勉強に臨めばよいでしょうか。

回答

 こんにちは。
 中学受験指導をおこなう多くの塾では、夏休みの6年生の受験勉強は質量ともにかなりハードです。一般的に親は子の努力を過小評価してしまうものです。お母様が「たくさん勉強をした」とおっしゃっているくらいですから、娘さんは朝から晩まで受験勉強に専心していたのでしょう。立派です。

 その努力の成果が結実するはずの9月のテストで成績が下がってしまったとのこと。お母様のご不安や焦り、そして娘さんのやりきれなさと悲しみは痛いほど理解できます。

 ここでお母様にお願いしたいことは、落ち込む娘さんに対して「泰然自若」とした姿勢を貫いてほしい(「演技」してほしい)ということです。「今回は得点に結びつかなかったけれど、夏の成果はきっとこのあとに出てくるはずだ」と温かな励ましのことばをかけてやってほしいのです。

 実際、夏にインプットした膨大な知識が即座に得点につながるというケースは少ないのです。学習したことがまだしっかり「消化」されていないのでしょう。
 9月以降は志望校の過去問の取り組みをはじめ、塾ではいままでの総復習的な学習をおこないます。そんな中で、夏に覚えた知識と実際の問題の中で再度出会うことにより、それらの復習を何度も何度もおこなう――それが先に述べた「消化」に当たるのです。「消化」することではじめてそれらを実際の得点に繋げることが可能になります。


知識の「消化」


 ですから、焦らないでください。入試本番まであと4ヶ月「しか」残されていないのではなく、4ヶ月「も」残されているのです。お母様が娘さんに明るい笑顔を向けて、娘さんの力が発揮されるそのときを「待つ」姿勢を貫けば、良い結果が出るのではないでしょうか。

 そして、お母様にお願いしたいことがもう一つございます。
 入試まであと4ヶ月。受験する学校はすべて決まっていますか。
 もし決まっているならば、それらの学校に序列をつけるような発言は禁句にしましょう。「お母さんはあなたが受験する学校すべて好きだよ。だから、どの学校に進学したとしてもお母さんは大満足」――このような声をかけると娘さんもずいぶん気が楽になるのではないでしょうか。もちろん、このことばを「演技」で発するのではなく、本心から言えることが望ましいのですが。

 以上2点のお願いをしましたが、これらは娘さんの前向きな姿勢を引き出すための試みです。
 娘さんの中学受験が笑顔で終わることを心よりお祈り申し上げます。



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矢野耕平先生
大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立。代表を務めるとともに国語と社会を担当しています。
著書として『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)など多数あります。
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プロフィール

1973年東京生まれ。大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立し、代表に就任。東京・自由が丘と三田に校舎展開している。また、学童保育施設「ABI-STA」特別顧問 も務める。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『iPadで教育が変わる』(マイコミ新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)など多数。2018年12月上旬に「旧名門校 VS 新名門校 今、本当に行くべき学校と受験の新常識がわかる! 」(SB新書)が刊行。


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