矢野耕平先生の中学受験お悩み相談室

2016-12-02中学受験の勉強法

質問

もうすぐ娘が中学入試本番を迎えます。本番まで時間がなく、本人は焦っているように見えます。
受験生最後の冬休みが近づいてきましたが、冬休み期間は、何に注意して何を重点的に勉強すると良いでしょうか。また、入試直前期に効果を発揮する参考書や問題集などありましたら、お教えください。

回答

 こんにちは。2月1日の首都圏中学入試本番まで2か月を切りました。1月の地方校・埼玉県・千葉県の私学入試を受験するならば、あと1か月で本番がやってきますね。

 さて、入試直前期である冬休み。小学校もなく受験勉強に集中できるタイミングですから、「あれもやりたい、これもやりたい」とつい欲張ってしまいがちです。実際に、「中学入試総まとめ」「〇〇日間で総仕上げ」などと銘打った参考書や問題集が書店に並んでいます。

 しかし、待ってください。

 わたしは入試直前期だからこそ、「新しい参考書や問題集には一切手をつけないでほしい」と考えています。どうしてでしょうか? その理路を説明したいと思います。
 お嬢様は進学塾に通って受験勉強に励んでいることと思いますが、中学入試本番で出題される知識を100%カバーできる塾などありません。どんな学校を受けたとしても、必ず「習っていない知識」「初見の問題」が入試で登場してきます。
 入試直前期で新しい参考書・問題集に取り組むならば、これまた「はじめて目にする用語」に出合うはずです。そうすると言い知れぬ不安に陥ってしまい、それらの暗記、学習ばかりについ力を入れるようになります。
 これでは「これも知らない、あれも知らない」と入試直前期に茫漠とした不安を抱くだけです。

 わたしが入試直前期でおこなってほしいと考えているのは、「いままで取り組んだ参考書・問題集(塾のテキスト)」のやり直しです。一度学習したものであっても、この時期忘れてしまっていたり、勘違いしてしまっていたりするものを発見して、それらのチェック・復習をおこなうことが大切なのです。既に習ったものなので、その分「取りこぼしの部分」の定着をすぐに図ることができるはずです。


知識


 先述の話に戻ります。
 中学入試で出題される問題の100%をカバーできる教材や学習方法など存在しません。
 ですから、中学入試本番で初見の知識や問題が登場するのは当たり前なのです。気にすることはありません。なぜなら、100点満点が求められる学校などありませんから。せいぜい5割~7割くらい取れれば合格ラインに達する学校が大半でしょう。
 合格ラインを突破する近道は「いままで習ったことを丁寧に見直しする」こと。これに尽きます。
 前回の当ブログで言及しましたが、入試本番の得点向上を図るために優先すべきは、得意科目を伸ばそうと一生懸命になることではなく、苦手科目の底上げに努めることです。
 この冬休み、お嬢様が充実した時を過ごせることを祈っています。



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矢野耕平先生
大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立。代表を務めるとともに国語と社会を担当しています。
著書として『LINEで子どもがバカになる「日本語」大崩壊』(講談社+α新書)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)など多数あります。
中学受験業界に精通されている矢野先生へ、ぜひ受験の不安や疑問などお寄せください!




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プロフィール

中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)、『LINEで子どもがバカになる』(講談社+α新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』(文春新書)、『早慶MARCHに入れる中学・高校』(朝日新書)。現在、プレジデントOnline、こそだてオウチーノなどで記事を連載している。


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