矢野耕平先生の中学受験お悩み相談室

2019-12-11中学受験の勉強法

質問

先生、はじめまして。小学4年生の娘がおります。現在中学受験専門の塾に通っており、上から2番目のクラスにいます。毎回算数のテストでの計算ミスが目立ち、点を落としています。小数点のつけ忘れとか、通分し忘れとか些細なものばかりです…。何度注意するように伝えても、なかなかミスが減りません。どのように指導したら良いでしょうか?

回答

 こんにちは。
 計算ミスをいかに改善するか。簡単なようでいて、これはお子さん当人の「意識改革」が求められる実に難しいものです。
 計算ミスにもいろいろなパターンがありますね。お嬢様のように小数点や通分を忘れるケースもよく聞きます。人によっては繰り上がり、繰り下がりでミスを多発するとか、あと、数字を雑に書いてしまい「6」と「0」を混同してしまうとか……。
 そういう各人のミスのパターンを見つけ出して、二度と同じ過ちを犯さないようにアドバイスすることは簡単です。それでも、なかなか改善されないのが計算ミスの持つ性質です。

 なぜでしょうか?

 結局は子ども本人が「絶対にミスしてはいけない」という強い自覚を持たねばならないからです。
 いくら周囲から口うるさく言われようと、問題に取り組んでいるときに「心から」最新の注意を払おうとしているかどうかが問題です。わたしから言わせると、ちょっとやそっとでは子どもたちはこういう意識変革をするようにはなりません。



 こんな話を聞きました。

 A君という男の子がいます。彼は毎回のテストで必ず計算ミスが複数散見される「常習犯」でした。
 彼は周りから度々ミスを指摘されるも、一向に変わる様子はありませんでした。
 そして、彼はその状態で入試本番を迎えたのです。

 1月に埼玉県や千葉県の私立中学校を受験し、2月1日以降は第1志望校をはじめ、都内の私立中学入試が連日待っていました。
 彼は1月に受験した2校とも不合格になってしまったのです。模擬試験の志望校判定では「合格確実」が出ていた2校でした。原因はやはり計算ミスです(問題のやり直しをした際にミスが幾つも発覚しました)。

 それから彼の目つきが変わったそうです。
 1月下旬、入試まであと数日のところで、彼の算数に取り組む態度は一変しました。一度解いた問題を丹念に見直すようになったのです。
 そして、2月1日以降。第1志望校をはじめ都内の私立中学校は「全勝」したのです。
 彼は「手痛い」経験をしてはじめてミスを「自分のせい」として受け止めることができたのです。

 とはいえ、入試本番まで計算ミス連発はよろしくないですよね。
 お嬢様はまだ4年生。わたしは模擬試験やクラス分けテストなどで本人に「手痛い」思いをさせるのが一番だと考えています。
 自分自身にはつい甘くなってしまうもの。我々大人もそういう側面がありますので、子どもであればなおさらです。
 ミスしては絶対にいけないのだという自覚を持たせる機会を戦略的に設けてほしいと思います。

 お嬢様の中学受験が上手くいくことを願っております。

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矢野耕平先生
大手塾に13年間勤めたのちに、2007年に中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立。代表を務めるとともに国語と社会を担当。
2020年度より国語専科「博耕房」という新ブランドを自由が丘に出校した。
著書に『早慶MARCHに入れる中学・高校』(朝日新書)、『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文春新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)など多数。
現在、AERA dot.(朝日新聞出版)、ビジネスジャーナル(サイゾー)、プレジデントOnline(プレジデント社)などで連載記事を担当。
中学受験業界に精通されている矢野先生へ、ぜひ受験の不安や疑問などお寄せください!




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プロフィール

中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)、『LINEで子どもがバカになる』(講談社+α新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』(文春新書)、『早慶MARCHに入れる中学・高校』(朝日新書)。現在、プレジデントOnline、こそだてオウチーノなどで記事を連載している。


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