こんにちは。
3年生のときには問題のなかった算数が4年生のいま苦手科目になってしまっているのですね。お母様がご不安に思うその気持ちはよく分かります。
さて、お子さんは算数のどこでつまずいているのでしょうか。
まずはお子さんの答案をチェックして、間違いに共通している点を見出しましょう。
それらを少しずつ克服していくこと。事態の改善を図るには親子ともに焦らないことが肝要です。「偏差値60を目指そう!」とありますが、4年生という「中学受験勉強初期」であることを考えても、数値的な目標を掲げて励ますと、かえってお子さんのプレッシャーになる危険性もあります。「いますぐ結果が出なくてもよいんだよ」とゆっくり見守る姿勢をお子さんに示すとよいでしょう。
では、3年生と4年生の算数ではどういう違いがあるのでしょぅか。
一般的に言われるのは、3年生のころは身近な生活に置き換えて考えられる具体性を持った問題が多かったものの、4年生になると日常生活とはかけ離れた抽象的な事柄を扱う問題が急増するという点です。文章題の質を比べてみるとこの点を容易に理解することができるのではないでしょうか。
それでは、この手の問題を適切に対処していくためにはどうすればいいのでしょうか。
この場合、抽象的なことをそのまま対処しようとするので混乱してしまう場合がほとんどです。たとえば、図や表、絵などを用いてその設問の意味を「可視化」することが必要です。また、図形においては、紙面上でおこなうだけではなく、実際に折り紙を使ったり、立体形のものを切ったりして「体感」する経験を積み重ねていくことが大切です。
最初から正解して当然だとは思わず、親子で楽しみながら算数の問題に挑戦するとよいでしょう。
先述しましたが、まだ4年生です。これからいくらでも成績挽回の機会は訪れます。国語と理科は調子がよいのですから、そこまで不安に思うこともありませんよ。
お子さんが算数で高得点をとれるようになり、自信を持って中学受験勉強に励める日がくることを心より祈っております。
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中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)、『LINEで子どもがバカになる』(講談社+α新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』(文春新書)、『早慶MARCHに入れる中学・高校』(朝日新書)。現在、プレジデントOnline、こそだてオウチーノなどで記事を連載している。