矢野耕平先生の中学受験お悩み相談室

2021-09-13中学受験の勉強法

質問

 矢野先生、こんにちは。小6の娘がおります。昨年、夏休みが終わった後、成績がかなり下がってしまいました。とくに算数の成績が落ち、年が明けてからようやくもとの成績に戻りました。
 今年は受験を控えているため、同じようなことが起きないかとても心配しています。夏休み明けに成績が下がるという話はよく聞くのですが、娘のスランプ状態はかなり長かったので不安です。娘は生真面目な性格で夏期講習や学校の宿題も真剣に取り組んでいたため、成績が落ちてしまいショックを受けていました。
 この時期の注意点など、何かアドバイスがございましたらお願いします。


回答

 こんにちは。
 中学受験生が夏明けにスランプに陥るのは、毎年のように見られる光景です。
「夏はあれだけ連日がんばっていたのに、何でその成果がすぐに出ないのだろう」
 そんなふうに塞ぎ込んでしまう子が多いのですね。わたしはこつこつと真面目に学習できるタイプの女の子にこの傾向が見られるように感じています。そう、お嬢様はまさにそのタイプですよね。

 なぜ、夏が明けるとこのような現象が起こるのでしょうか。
 わたしは次に挙げる2つのことが原因なのではないかと考えています。

① 夏期講習会に打ち込んだその学習成果がすぐに「数値化」されると期待すること。
② 6年生であれば志望校の「過去問演習」が始まる時期であり、そこで合格最低ラインに近づける得点が取れると期待すること。

 まず、①についてですが、夏期講習会で取り組んだことがすぐに得点化されるわけではありません。9月からはガラリと単元が変わることが多いのがその理由のひとつです。また、6年生であれば、受験生の大半がお子さんと同じように夏期講習会で「がんばって」いたのです。つまり、相対評価である偏差値が上がりづらい時期でもあるのですね。このことで焦ってしまったり、落ち込んでしまったりすることがよくあります。

 そして、②についてです。夏が明けたくらいの時期に入試で合格点を取れるような「総合力」はまだついていません。一例を挙げると、社会ならば「地理」「歴史」「公民」それぞれの基本的知識はそれなりに定着しているのかもしれませんが、入試でよく出題されるそれらの分野の「融合問題」などにはこれから練習を積んでいく段階なのですね。そのほかにも、入試問題の体裁や解答用紙に慣れていない、時間配分が上手くいかないことで、合格最低ラインには程遠い得点結果になるのが「普通」なのです。

 さて、この時期の注意点を教えてほしいとのことですが、わたしからお伝えしたいのは、保護者が(心の中では焦ったとしても)泰然自若とした姿勢を演じつつ、日々お嬢様に励ましの声をかけ続けることが何よりも大切だということです。保護者がわが子といっしょになって言い知れぬ不安に陥ってしまうと、なかなか事態は好転しないもの。
 中学受験生は入試直前期で一気に成長します。
 それを信じて、お嬢様の良き伴走者に徹してほしいと願っています。


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矢野耕平先生
中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文春新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)。現在、AERA dot.やプレジデントOnline、ビジネスジャーナルなどで連載記事を執筆している。




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プロフィール

中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文春新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)。現在、AERA dot.やプレジデントOnline、ビジネスジャーナルなどで連載記事を執筆している。


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