矢野耕平先生の中学受験お悩み相談室

2021-09-30中学受験の勉強法

質問

 矢野先生、はじめまして。小学6年の息子がおります。9月に入り、志望している中堅校の過去問を解き始めました。ところが合格点にはまったく届かず…。解けない問題でつまずいてしまうと、そこから先に進めず、時間が足りなくなってしまう状態です。問題数が多いため、先に解けるか否かの選択をするよう指導があるのですが、実践できないようです。繰り返すうちにスピーディーに解答できるようになるものでしょうか…。


回答

 こんにちは。
 志望校の過去問題集を解き始めて、現時点で合格点に全く届かないのですね。
 その様子を見て心配されるのはよく理解できます。しかし、大半の受験生にとってそれは「普通のこと」です。

 夏が明けて間もないこの時期、入試問題で求められる各科目の「総合的な力」はまだ身に付いていないものです。

 「社会」を一例に挙げてみましょう。お子さんはこの夏期講習会で「地理」「歴史」「公民」それぞれの単元の網羅的な学習(復習)をおこなったと思います。しかしながら、入試問題で頻出するそれらの単元の「融合問題」に本格的に取り組むのは、これからなのですね。たとえるならば、「点」を「線」でつなぐ作業がそれに当たるといえるでしょう。
 加えて、悩まれている通り、入試問題の時間配分に苦慮してしまう点も、思うように得点が取れない一因になっているのは間違いないでしょう。

 お子さんが具体的にどの学校を第1志望校にしているのか、また、主としてどの科目に四苦八苦しているのかは、このご相談内容だけでは分かりませんので、ここからは一般的なアドバイスをしますね。

 これから11月くらいにかけてはたとえ「時間が足らない」状態になろうと、登場する問題の順に解くことをおすすめします。付言するならば、直感的に解けそうもないと判断した問題を飛ばすくらいでしょうか。

 たとえば、「国語」の入試問題。入試問題を作成した学校の先生方から「設問を順にこなしていくうちに文章の全体像が把握できるように配慮して作成している」といった旨の話をよく聞きます。時間配分に何かテクニカルなものがあるのではないかと、あの手この手で問題を解く順番を入れ替えることで、かえって題材になっている文章理解が浅くなってしまうケースがあるのですね。
 そして、入試問題では満点を取ることは求められていません。
 大半の学校では7割程度取れれば合格点に達するのです。時間内に解き終わらず、幾つかの空欄を作ってしまっても、それ以外の問題にじっくり取り組めたのであれば、合格点に到達できるのですね。

 いずれにせよ、毎週決まった時間に、制限時間を守りつつ、志望校の過去問題集にこつこつと取り組んでいきましょう。繰り返しますが、まずは出てくる順に問題をこなしていく……それをしばらく続けていくうちに、たとえば、どの「大問」から手を付けるべきか、見直すべき時間はどう確保すべきか、などといったものが見えてくるはずです。その上で、12月・1月の2か月間はその志望校の「時間配分」の微調整をおこなうことをおすすめします。気づけば、現時点とは比較にならないくらいスピーディーに入試問題に対処できるくらい成長するものです。
 息子さんが志望校の合格切符を手にできることを願っています!


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矢野耕平先生
中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文春新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)。現在、AERA dot.やプレジデントOnline、ビジネスジャーナルなどで連載記事を執筆している。




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中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文春新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)。現在、AERA dot.やプレジデントOnline、ビジネスジャーナルなどで連載記事を執筆している。


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