矢野耕平先生の中学受験お悩み相談室

2021-11-15中学受験の勉強法

質問

 先生、こんにちは。小4の息子がいます。習った後すぐに行われる単元テストでは90~100点と、良い点が取れるのですが、範囲のない実力テストでは60~70点程度しか取れません。間違えた問題は自宅で解きなおして単元の定着をはかっているのですが、忘れてしまうのか、なかなか成績は上がらず…。これから中学受験に向けてどのように学習を進めていけば良いでしょうか。アドバイスをお願いいたします。


回答

 こんにちは。
 その週に習ったことを範囲にするテストでは得点できるものの、これが(より出題範囲の広い)総合的なテストになると思うように得点できないのですね。これは中学受験生「あるある」の事象です。

 わたしの観測範囲でいえば、この種のお子さんは「一夜漬け」的な学習に陥っている可能性が高いということです。これは毎週のように単元テストが課されるシステムの中で学んでいる子によく見られます。

 たとえば、週末にその週の学習内容が範囲となる単元テストが実施されるとしましょう。
 お子さんはそのテストに向けて良い得点結果を目指して、いつの間にか「その週の単元学習」しか取り組まなくなってしまう……そして、週末のテストが終わったあとは、すぐに翌週の学習単元のことで頭がいっぱいになり、週明けになると前週の学習内容などどこかに吹き飛んでしまっている……この繰り返しになっているのではないかと推察します。

 これを改善するポイントは、週末の単元テスト直後の時間にあります。
 翌週のことを考える前に、単元テストで取りこぼした問題をピックアップして、それらをじっくり復習する時間を設けるべきです。これだけで定着度は向上するでしょう。また、週1程度の頻度で構いませんので、次回の総合的なテストに向けて、その出題範囲を見直す作業をおこなうとさらに効果的だと思います。

 考えてもみてください。
 中学入試問題というのは、膨大な範囲にわたる「総合テスト」なのです。
 そこを目指して学習に励んでいるのですから、いまの状態が長引いてしまうのはよろしくありません。

 一方で、習ったあとにおこなわれる「単元テスト」では高得点がとれているということですから、現状では「短期記憶」には全く問題がないお子さんといえるでしょう。このようなタイプのお子さんはちょっとした工夫次第で「長期記憶」につなげることはさほど難しくないだろうと考えます。これからの学力向上が期待できると思います。

 お子さんの日々の学習の中に上述した取り組みを盛り込むことで、事態の改善を図ってみてください。きっと良くなるはずです!


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矢野耕平先生
中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文春新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)。現在、AERA dot.やプレジデントOnline、ビジネスジャーナルなどで連載記事を執筆している。




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中学受験専門塾「スタジオキャンパス」代表。東京・自由が丘と三田に校舎を構える。国語・社会担当。著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)、『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文春新書)、『旧名門校 VS 新名門校』(SB新書)など多数。最新刊は『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)。現在、AERA dot.やプレジデントOnline、ビジネスジャーナルなどで連載記事を執筆している。


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