中高パスナビ編集部

2015-01-21その他

開成学園 柳沢校長による特別教育講演会(2)

2014年12月17日、駿台・浜学園お茶の水教室開校1周年特別企画として、「子育て全般を通じて、大学進学までを見据えた教育のあり方について」をテーマに開成中学・高等学校の柳沢幸雄校長(東京大名誉教授)の講演がありました。昨日に続き、講演会の概要をお届けします。

※開成中学・高等学校公式サイトはこちらをご覧ください。

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垂直比較でほめる

私は、他の子と比較する「水平比較」ではなく、「垂直比較」をすることを提唱しています。

「垂直比較」とは、身長が伸びていくように、子供の以前の状態と比較することです。そうすると、ほめることができます。子供の3ケ月前、半年前と比較する。垂直の方向で比較すると、ほめる点はたくさんあります。

進捗した点、改良が加えられた点を具体的な項目でほめることが大切です。ほめることで、何が望ましいのか、価値観を伝えることができます。つまり、「これはいいね」「よくできるようになったね」と言われると、何をやって良いのかが分かり、親の価値観が伝わります。親が望ましいと思ったことを子供が受け取り、子供はそこを大きく広げて成長します。

一方、叱り続けると、「これはやってはいけない、何をやったらいいのか、また怒られる……」と子供が感じた結果、「親の言う通りにやれば良い」と、指示されなければ行動できない人になってしまいます。指示待ち族という揶揄する言葉がありますが、若い人が悪いわけではなく、そういう若者を育てた親が悪いのです。叱るというのは、究極的には指示をしなければ動かない子をつくることだと思います。

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充実感のある人生を過ごすための選択法

私は、充実感のある人生を過ごすための選択法として「ボトムアップアプローチ」「トップダウンアプローチ」を提唱しています。

選ぶためには何か根拠がなければいけません。現在の状況から選択することを「ボトムアップアプローチ」と呼び、将来こうなりたい、そうなるためにはどうしたらよいかと選択することを「トップダウンアプローチ」と呼んでいます。

具体的には、受験校を選択する場合は「ボトムアップアプローチ」をします。受験は相対評価で、相互の比較の中で勝たなければいけません。今、子供がどの教科で点数をとれるのか、周りと比較すると成績はどうかを偏差値を参考にして判断します。つまり、短期的な現象を判断するときは実現可能性を考えて「ボトムアップアプローチ」をします。

幸いにして複数の学校に合格したら、進学する学校は偏差値を基にしたボトムアップアプローチで選ぶ必要はありません。人生経路のような長い時間、方向性を定めて考えるのが「トップダウンアプローチ」です。 充実感のある人生を過ごすために、つまり自己肯定感をもって過ごすためには時間を忘れて夢中になれること、好きなことを見つけることが第一ステップです。次に、好きなことに関連する職業を想定します。例えば、サッカーが好きな人は、サッカー選手だけでなく関連する職業はたくさんあるので調べてみてください。サッカー選手になれなくても、J1チームの経営や営業広報をしたり、スポーツ医学のお医者さんになったりと、サッカーに関連する仕事の種類はいくつもあります。

このようにして自分が将来やりたい職業のイメージができたら、その職業に就くために、専門家として必要な知識が学べる大学を探します。すると大学の選択は自ずと決まってきます。大学が決まれば、高校、中学も自ずと決まってきます。これがトップダウンによる進学先の選び方です。

もし毎年、自分の子供の希望する職業が変わったら、それは子供が成長した証です。子供が真剣に考えて、調べて、他に良い職業が見つかった証拠です。

受験校を選ぶには「ボトムアップアプローチ」、つまり偏差値を参考にして受験校を選びましょう。複数の学校に合格したら、「トップダウンアプローチ」で、自分にとって自己肯定感が強くなる生き方ができる学校を選び、多様な人間関係を結べて竹馬の友が得られそうな学校を選択しましょう。人生を振り返ったときに、満足感や充実感が得られるような選択をしてください。



明日も引き続き、講演会の概要をお届けします!お楽しみに!




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