文部科学省は、将来の国際的な科学技術系人材を育成することをねらいとして、理数系教育に重点を置いた研究開発を行うSSH事業を平成14年度から実施しています。
文科省は3月28日、2012年度の「スーパーサイエンスハイスクール」(※以下SSH)に新たに73校を指定したと発表しました。新規指定校の内訳は、国立3校、公立57校、私立13校で、うち38校は過去にも指定を受けています。既存のSSHを含めると、合計178校になります。
ここ数年は新規の指定校数が増加しています。 平成21年度は9校、22年度は36校、23年度は38校、そして24年度は73校でした。文科省は、2014(平成26)年度までにSSHを200校に拡大することを目指しています。学校数を増やしていき、SSHの取組みや効果を広げることをねらいとしています。
なお、指定期間は5年ですが、指定期間終了後に再度新規指定を受けるなどして継続して取り組みを続ける学校もあります。
以下、一都三県で新たにSSHに指定された12校と各々の研究開発課題です。
東京都
筑波大学附属駒場高等学校 (※)…豊かな教養と探究心あふれるグローバル・サイエンティスト(globalscientist)を育成する中高大院連携プログラムの研究開発
東京学芸大学附属高等学校…高度な科学・技術を基盤とする国際社会で活躍する人材に必要なキー・コンピテンシーを獲得させる授業法および学校教育システムの研究開発を実施する
科学技術高等学校…創造性、問題解決能力、コミュニケーション能力に富み、国際的に活躍できる科学者・技術者を、生徒ひとりひとりの成長過程を確認しながら育成するための高大接続の科学技術教育に関するカリキュラムの開発
多摩科学技術高等学校…理数英教科と専門教科が連動した授業展開から科学技術の基礎を学び、上級学校や専門機関との密な連携により、国際性を高め広い視野と探求心を有する意欲的な科学人材を育成し、小中高大学が連携する理数教育のカリキュラム開発
日比谷高等学校 (※)…『創造性豊かに国際舞台でリーダーシップを発揮し活躍できる科学者の育成-日本再生を願って-』
東海大学付属高輪高等学校 (※)…Ⅰ 科学技術分野で必要となる生徒の諸能力を高め、国際的視野に立った人材を育成する教育プログラムを開発する。Ⅱ 社会とのつながり(小・中・高・大・産の連携)を展開し、科学技術教育を推進する教育システムを開発する
文京学院大学女子高等学校…科学への好奇心を喚起し、科学探求に必要な学力の形成、および国際社会で活躍できる科学者を目指す生徒の育成~地域の科学教育の中核拠点として、全教科横断カリキュラムと高大接続教育の構築~
埼玉県
浦和第一女子高等学校 (※)…科学と社会の現在と未来を見渡す広い視野を身につけた人材、国際社会で独創性を発揮し次の世代をリードする女性科学者・技術者を育むための統合プログラムを開発編成する
熊谷女子高等学校…~21世紀型の学力「生きる力」を持つ女性の育成~ 全生徒のコミュニケーション能力とサイエンスリテラシーを高める中で、国際社会に貢献でき、次世代を担うことのできる科学者を育成する教育プログラムの研究
熊谷西高等学校…潜在的能力を見いだし開花させ、安全・安心で持続可能な社会の創造・発展に寄与し、科学技術イノベーションを支える人材の育成を図るカリキュラム開発
松山高等学校…地域の特色や豊かな自然環境とその現状についての探究活動などを通して、地域からそして国際社会へと貢献できる科学技術系人材育成のための研究開発
千葉県
千葉市立千葉高等学校 (※)…『 S・In・C-A (シンカ)』Science,International and Curriculum-ACADEMY ~科学をより身近に,目標をより高く~
(※) 平成19年度指定で、平成24年度新規指定に採択された学校