理科の授業の中で行う実験は、6年間でなんと185回!理科教育に力を入れている学校として評判の高い小野学園女子中学校(東京都品川区)の説明会に編集部が訪問しました。
この説明会は、先生からの説明を聞くだけではなく保護者が在校生の授業を体験する形式です。子どもたちが授業で何を感じているのかは、説明を聞くだけより実際に体験してもらったほうがより伝わるだろうという趣旨で行っています。
●1時間目●ミニサイエンスラボラトリー体験好奇心を引き出し探究心を育てる小野学園の理科教育を実感! |
「サイエンスラボラトリー」は毎週月曜日の7限目に開講している120分の理科の実験授業です。今日は紙コップと水を使った実験に挑戦します。
「これから、ある実験結果の仮説を立ててもらいます」と理科主任の中川先生から課題が出ました。 “紙コップの中に水を注ぎました。水が無くなったようです。さて、どんな状況を想像しますか?”
一人ひとりが仮説を考え、クリップボードに書き表します。
クリップボードを使う理由は、一人ひとりが答えを考えて絵や言葉でまとめるツールとして利用できる点と、全員に発言する機会を与えられるからです。
実際のサイエンスラボラトリーでは毎回の実験後にレポートを書きます。大学生になっても通用するレポート作成をとおして実験内容を振りかえり、かつ考察することにより知識の定着化を図ります。
●校舎見学●ミニサイエンスラボラトリー体験◆ 一人あたりの平均貸出冊数は約23冊!(※平成22年度) 読書習慣が身につく図書室を見学! ◆ 大学との連携授業も実施! 最先端科学を学ぶ「ホタル・プロジェクト」の研究室を見学! |
図書館の蔵書数は2万6千冊です。本をたくさん読んでもらう工夫として、テーマを決めて展示コーナーを設置しています。この日は「漢字の日」にちなんだ展示がありました。(写真左)
長期休暇中は新書を読む課題が出され、生徒は本を読んだ後に「新書の紹介カード」を作成します。(写真右)
小野学園では、理科教育のプログラムの一つとして「ホタル・プロジェクト」があります。ホタルが自生できる美しくきれいな環境は人間にとってもやさしい環境であるという理念のもと、ホタルの自生研究を行っています。ホタルの授業は理科のカリキュラムにも入っています。
昨年から学校内にホタルの自生研究室を設置し、各クラスでホタルを育てています。水槽の中で幼虫を飼育し(写真左)、3月頃にビオトープ(写真右)に移します。
このプロジェクトを推し進めるための計画として、2012年4月に中学生がデザインしたホタルの公園「大井町自然再生観察園」が完成する予定です。
●2時間目●ミニ授業体験(国語)授業準備(予習)→授業→理解度チェックテストという流れを実感! |
授業後に、小野学園の授業・講習・補習など教育内容の説明がありました。
小野学園が大切にしていることは「学習習慣」を身につけることです。 入学後2週間、授業準備の時間を時間割に組み込む「特別時間割」や、定期試験の勉強の仕方を身につけるための「合宿」を設けるなど学習を習慣化させるプログラムを実施しています。
1~3年生までは5教科習熟度別授業を実施し、4~6年生はコース別編制となっています。もっと上を目指す生徒のために希望制の講習や授業の理解が不十分な生徒には指名制の補習を実施しています。
授業の準備としてすること・授業で学ぶこと・復習することを詳細に示したシラバスの活用、生徒のやる気を引き出す「教科の達人選手権」など、「授業がわかる」ようにするさまざまな取り組みをしています。
●授業見学●国語と英語の授業を見学! |
●3時間目●道徳「みとめる」*「ひきだす」教育とは |
小野学園の教育全般について、広報部長の伊藤先生からお話がありました。
子どもを育てる上で大切なことは「ほめる」こととよく言われていますが、実際には「みとめる」ことこそ大切です。前の状態があって今の状態があり、その間にどんな成長があったのかは、先生が生徒を見続けて分かることです。小野学園では、その子が持っている「いいところを認め」 「眠っているいいところを引き出す」工夫をしています。
●4時間目●入試体験・入試要項のポイント小野学園の入試の過去問題を解く! |
平成23年、22年に出題された算数の過去問題を実際に解きました。小野学園の算数は、小学校で習った公式や計算を理解しているか、文章を読んで理解できるかを見ています。理科のエッセンスが入った問題が算数の中に出題されます。
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