埼玉県の公立高校(市立高校も含む)では、学区制度がないため、県下のいずれの高校でも志願することができます。募集は、3月上旬(2021年は2/26)の学力試験による1回のみです。
選抜は、調査書、学力検査の成績、実技検査・面接(一部の学校)を資料とし、各高校、学科等の特色に配慮して行われます。学校ごとの選抜の基本方針や選抜資料の取り扱いについては「選抜基準」として公表されています。
まず各選抜資料についてみていきましょう。
学力検査は、国語・数学・社会・理科・英語の順に5教科が課されます(各100点満点/英語はリスニングテストを含む)。試験時間は、5教科すべて50分です。
問題は、一部の学校の数学と英語を除き、すべて共通問題です。2020年度入試では、下表に示した21校において、数学と英語の問題の一部に応用的な内容を含む「学校選択問題」が実施されました。
また、外国語科・コースでは英語の配点を200点に、理数科では数学と理科の配点を200点に、他の教科の配点を100点とする傾斜配点を実施しています(下の表参照)。
2019年度入試から急病等で学力検査を受検できなかった志願者対象に追検査が実施されました。国語・社会・数学・理科・英語の5教科で、数学と英語の学校選択問題も実施されます。
■ 学力検査の「学校選択問題」実施校
(2020年実績、全日制)
浦和高校、 浦和第一女子高校、 浦和西高校、 大宮高校、 春日部高校、 春日部女子高校、 川口北高校、 川越高校、 川越女子高校、 川越南高校、 熊谷高校、 熊谷女子高校、 熊谷西高校、 越ケ谷高校、 越谷北高校、 所沢高校、 所沢北高校、 不動岡高校、和光国際高校、 蕨高校、 市立浦和高校
※学校選択問題のサンプル問題は教育委員会のホームページに掲載されています。
調査書は、調査書に記載された①学習の記録、②特別活動等の記録、③その他の項目のそれぞれを、各高校で基準を定め点数化して評価します。その合計得点が「調査書の得点の合計」となります。その際、②及び③の得点合計が、①の得点を超えないよう定めます。
①「学習の記録」の得点
1~3年までの評定を使います。「学習の評定の各学年別合計(9教科5段階評定計45点)に各高校が定める各学年の比率をそれぞれ乗じて、加えて求めます。たとえば、1年・2年・3年の順に「1:1:1」の場合は「45点×(1+1+1)=135点」、「1:1:3」の場合は「45点×(1+1+3)=225点」が最高得点となります。
②「特別活動等の記録」の得点
学級活動、生徒会活動、学校行事、その他について各高校の教育方針、学校・学科等の特色に応じて定める基準に従い得点が算出されます。
③「その他の項目」の得点
総合的な学習の時間の記録、その他の記録について、ボランティア活動や地域における社会活動など学校外の活動にも配慮して得点が算出されます。
②と③の得点は、各高校で得点を定め、具体的な評価項目については「調査書の扱いの詳細」に記載されます。
実技検査は芸術系学科、体育系学科・コースで実施されます。その他の資料の得点も高校の基準にしたがって算出されます。2020年度の実技検査実施校は10校、面接実施校は全日制69校、定時制24校でした。
この記事は「2021年度入試用 高校受験案内」より転載いたしました。
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