2020-06-03

一般入試はこう実施される!【東京】 2021年度入試用

 次に、一般入試の出願から選考方法について項目ごとに説明していきましょう。

●出願方法
 出願は1校1コースまたは1科(1分野)ですが、志望する同一の都立高校内にある同一の学科内に2科(2分野)以上ある場合(芸術に関する学科を除く)は、他のすべての科(分野)に志望の順位を付けて出願することができます。ただし、普通科とコース、農業科と家庭科等、複数の学科がある場合は、第二志望の指定はできません。

●出願書類
①入学願書、②調査書、③自己PRカード(面接実施校の志願者)等を中学校長の確認を経て提出します(原則として郵送不可)。

●志願変更
 出願締切後、各高校の応募状況の集計結果が中間発表として発表され、新聞などに掲載されます。受検者は、ここで初めて自分が志願した高校の応募倍率がわかります。「ここは人気があるだろうから出願を避けたのに、これくらいの応募数だったらチャンスがあるかも」とか「こんなに応募数が多いと厳しいな」などの思いがあることでしょう。そこで、学校選びで後悔しないように、この集計結果を見て全日制の志願者は1回だけすでに提出した願書を取り下げ、別の学校に再提出するチャンスがあるのです。ただし、入学願書の返却を受けた都立高校の同一のコースや科(分野)に再提出や同一高校同一学科内の科(分野)相互間の志望順位の変更はできません。
 また、全日制から定時制、定時制から全日制、定時制から定時制への志願変更はできません。ただし、定時制単位制高校のうちチャレンジスクール、八王子拓真高校(チャレンジ枠)、 一橋高校、 浅草高校、 荻窪高校、 八王子拓真高校(一般枠)及び砂川高校に限り、これらの各高校間で相互に志願変更することや、また全日制への志願変更ができます。

学力検査

 2016年度入試から「学力検査に基づく入試」が学力検査と調査書中心に変わりました。
 学力検査の教科は、原則すべての全日制課程で、国・数・英・社・理の5教科が、定時制課程では5教科~3教科が課されます。ただし、総合芸術高校芸術に関する科、駒場高校保健体育科・野津田高校体育科では、国・数・英の3教科と実技検査で実施されます。

◎ 「学力検査に基づく入試」の実施方法

各教科は50分100点満点(英語は最初の約10分間にリスニングを実施)ですが、普通科の単位制・コース制、科学技術科、ビジネスコミュニケーション科、国際科などでは特定の教科の配点に比重をかける傾斜配点を行う高校もあります。(下表参照)

学力検査の傾斜配点の実施校

●自校作成問題・グループ作成問題実施校
 問題はほとんどの高校で、 都立高校共通問題が使われていますが、一部の高校では国語、数学、英語の3教科についてグループ作成問題や自校作成問題を利用し、社会、理科の2教科は共通問題で学力検査を行っています(下表参照)。学校によっては、グループ作成問題の一部を学校独自の問題と差し替えることがあります。国際高校では英語のみ自校作成問題を使用しました。
 また、一部の定時制高校でも自校で作成した問題を利用して学力検査を行っています。

●共通問題はマークシート方式
 共通問題は、島しょの高校を除くすべての高校で、「マークシート方式」 による入試を実施、マークシート方式の問題と記述式の問題の両方が出題されています。マークシート方式の問題について、リーフレットやサンプル解答用紙等でその特徴やマーク欄の塗り方の注意事項等を確認し練習しておきましょう。
 なお、グループ作成問題や自校作成問題は、マークシート方式ではありません。

都立高校「学力検査に基づく入試」の実施方法

◎自校作成、グループ作成は国語・数学・英語の 3 教科。他に、国際高校では英語 1 教科を自校作成問題で実施。

選考

 選考は「学力検査の得点」と「調査書点」の合計(総合得点。1000点満点)に、「面接」など(「小論文または作文」「実技検査」などを実施する場合はその結果を含む)の得点を足した全体の点数(これを総合成績と言う)と、「入学願書による志望及び都立高校長が必要とする資料」により行われます。

●調査書点について
 調査書点は、推薦入試とは違って5段階の評定数値をもとに計算します。調査書点はすべての課程において、「学力検査を実施する教科の評定は1倍」、「学力検査を実施しない教科の評定は2倍」して算出します。計算方法を下に示しましたが、学力検査の5教科実施校では65点満点、3教科実施校では75点満点になります。

●学力検査と調査書の比率
学力検査の得点と調査書点の比率は、全日制課程では 7:3 (ただし、芸術および体育に関する学科は 6:4)、定時制課程では 7:3 または 6:4 となります。総合得点の満点は1000点になるので、7:3 の比率の場合、学力検査は700点、調査書は300点満点となります。

●面接、実技、自己PRカード
 面接、小論文または作文、実技検査が課される場合は、各高校が適切に基準を定め点数化されます。
 自己PRカードは面接実施校では出願時に提出しますが、点数化はされずに面接の資料として活用されます。面接を実施しない学校では入学手続後に他の書類とともに提出します。
 2020年度入試(全日制第一次・分割前期募集)で、面接、実技等を実施した学校は、右表の13校22学科・コース、小論文・作文の実施校はありませんでした(国際高校国際バカロレアコースは英語運用能力検査、数学活用能力検査、小論文、面接、集団討論で実施)。
 各高校の検査の詳細については、東京都の教育委員会から募集案内が発表されます。また各都立高校のホームページなどでも公表されますので確認しましょう。

面接・実技実施校(2020年度第一次・分割前期募集 ※エンカレッジスクールを除く)
〈面接〉大森、練馬、青井、南葛飾、拝島(以上普通科)、野津田-福祉、瑞穂農芸-園芸科学・畜産科学・食品・生活デザイン、杉並工業-機械・電子・理工環境、大島海洋国際-海洋国際、大島-普通・併合

〈実技〉片倉-造形美術、総合芸術-美術・舞台表現・音楽、駒場-保健体育、野津田-体育

次に調査書点の計算と総合成績の計算について示します。

調査書点の計算方法(学力検査5教科実施校)

▼学力検査5教科(国・数・英・社・理)⇒音・美・保体・技家の評定値を2倍
(学力検査5教科の評定値の合計)+(5教科以外の4教科の評定値の合計×2)=65点満点

換算方法の例

実技教科(3+4+5+3)×2=30
これに実技教科以外の5教科の評定を足して、5+4+3+3+5+30=50
学力検査と調査書の比率が 7:3、総合得点の満点は1000点のため調査書点の満点は300点。

総合成績の計算方法

総合成績の計算方法

合格者の決定

 普通科(コース設置校のコース、単位制を除く)では、男女別の募集定員があるので、男女別の総合成績の高い順に合格者を決めます。男女別の募集人員が設定されている高校では、男子(女子)が充足しない場合は、合格者となっていない女子(男子)の受検者のなかから合格者が決定されます。
 コース制、普通科単位制、総合学科、専門学科では、募集人員に相当する人数を総合成績の順に決定します。
 学科内に2科(2分野)以上ある場合は、科(分野)ごとに第一志望とした者から総合成績の順に合格者を決定し、第一志望者で募集人員に達しない科(分野)は、その不足分を募集人員に相当する合格者の中から志望の順位に基づき総合成績順に充足します。

■ 一般入試における、その他の制度

●男女別定員制の緩和

 都立高校の全日制普通科(コース設置校のコース、単位制除く)では、第一次募集・分割前期募集において男女別の募集人員で、男女別の総合成績の順に合否が決まるため、男子(女子)より成績の高い女子(男子)が不合格になる場合があります。そうした状況を改善する取り組みが、男女別定員制の緩和です。2020年度入試では三田高・文京高・井草高など40校で実施しました。
 導入校では、次の手順で合格者が決まります。
①まず、男女別々に募集人員の各9割までを合格者として決定。
②次に、残りの1割については、①で合格者とならなかった受検者のなかから、男女合同の総合成績順に合格者を決定する。

●自己申告書(推薦入試での提出も可)

 欠席が多い生徒は、出願時に自己申告書を提出し、欠席日数について事情を説明することができます。志願者及び保護者が「高校に理解してほしいことがら」を記入し厳封して志願する高校に出願書類とともに提出します。自己申告書の用紙は都立高校等の窓口で配布します。

●インフルエンザ等学校感染症罹患者に対する追検査

 第一次募集において、インフルエンザ等の学校感染症に罹患し受検することができなかった者に対して追検査が実施されます。出願できるのは第一次募集で出願した高校のみで、「インフルエンザ等学校感染症罹患者等に対する措置」を申請します。出願の際に医療機関または中学校の出席停止措置の証明書、検定料が必要です。日程や検査は分割後期・第二次募集と同じです。

●学力検査等得点の本人への開示・学力検査の答案の開示

 入学者選抜における透明性を確保するために、受検者や保護者から請求があった場合は、学力検査の得点及び面接・作文などの得点を記載した「学力検査等得点表」を開示しています。また、学力検査の答案についても、採点誤りにより不合格となった受検者の救済を目的として開示しています。これらは開示請求に基づき受検者または保護者に直接交付されます。

第一次募集・第二次募集と分割前期募集・分割後期募集の違いは?

 一般入試では、第一次募集の結果、入学手続き者数が募集人員に達しない学校が、第二次募集を行います。逆に言うと、第一次募集で募集人員が満たされれば第二次募集は行われません。
 分割募集は、あらかじめ募集人員を分割し、第一次募集期間における募集(分割前期募集)と第二次募集期間における募集(分割後期募集)の2回に分けて募集を行います。2020年度入試において分割募集の実施校は、全日制ではエンカレッジスクール6校を含む22校でした。
 分割後期募集、第二次募集の検査は、原則国・数・英の3教科で、面接等を課す学校もあります。

この記事は「2021年度入試用 高校受験案内」より転載いたしました。

「高校受験まるわかり」一覧はこちら




  • はてなブックマークに追加
  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • Google+でシェア
編集部オススメ
受験に関するアンケート受験に関するアンケート

大学の指定校推薦枠を意識して、中学校または高校の受験校を決めますか?