2015-05-29

【連載】編集部注目の学校 徹底レポート
広尾学園中学校・高等学校

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10年前から教職員一丸での学校改革に取り組み、進化を続ける広尾学園。この春には、中学校に300名、高校に275名の新入生を迎え、校内はますます活気に溢れている。 連載の第2回目・3回目は、広尾学園の特徴でもある「医進・サイエンスコース」「インターナショナルコース」の教育内容と魅力について伺った。


第3回 インターナショナルコース

国際社会で活躍する人材の育成を目的として2007年に創設されたインターナショナルコース。現在、16名の外国人教員が在籍し、生徒の約半数は帰国子女やインターナショナルスクールの出身者で構成されている。英語と日本語が飛び交う教室は、さながら“小さな国際社会”だ。



助け合い、切磋琢磨できる2グループ制

インターナショナルコースの授業は、アドバンストグループ(AG)とスタンダードグループ(SG)の二つのグループに分かれる。AGは帰国子女などすでに英語力がある生徒を対象とし、国語や社会などの一部の授業を除いたすべての授業が英語で行われている。一方のSGはこれから英語力を身につけ、将来的に国際的な活躍を目指す生徒が対象。授業の多くは日本語で行われている。

両者の特性について、同コースのマネージャーを務める植松久恵先生が説明する。

「AGには、日本語力に不安があったり日本史や日本地理に苦手意識を持つ生徒も多いです。しかし、真の国際人には、自国の歴史や文化についての見識が欠かせません。そこで、AGでは中学1年から現代文や古文・漢文を学び、地理・歴史・公民を英語と日本語の両言語で学習します。また、0限(1限の前に行う10分ほどの学習指導時間)では、天声人語などを教材として日本語力や論理力の育成をはかっています」


一方、SGでは高い英語力を養成するため、英語教育に力を入れたプログラムが組まれている。

「SGでは週4時間、日本人教員が文法的知識の授業を、週3時間、外国人教員が会話中心の授業を行い、さらに0限でも英会話を学びます。また、美術や技術・家庭科は、AG・SG合同クラス。外国人教員による英語での指導が行われています。

SGの生徒の中には、入学当初は外国人教員の指示を聞き取れない子も多いのですが、AGの生徒の助けを借りることで、2学期に入る頃には、ほぼすべての内容が理解できるようになるんですよ」

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入学当初は英語で曜日を言えなかったようなSGの生徒でも、1年次が終わる頃には英検3級を、中学の終わり頃には英検2級を取得できるレベルにまで英語力がアップする。充分な英語力が身につけばAGに移動することも可能だ。

「AGとSGの合同授業は、双方に良い効果をもたらしていると思います。SGの生徒は、流暢な英語を話すAGの生徒に刺激を受け、AGの生徒はSGの生徒に教えてあげることで日本語の感覚を研ぎ澄ますことができる上、異なるバックグラウンドで育った生徒への理解を深めることにも役立つのではないでしょうか」

高い英語力と深い教養を身につけられる指導体制とは

国際社会で活躍する上で欠かせない「相互理解の精神」が自然と育まれる理想的な環境。もちろん教員も生徒の学習を全力でサポートしている。

欠席者のためにインターネット上に授業内容をアップし、テスト前は強化講座を開講。また、英検をはじめTOEFLiBTやSATなどの検定試験にも積極的に取り組み、海外の難関大学を志望する生徒のバックアップも欠かさない。

「大学入学後を見据え、海外の大学の教養課程で学ぶ内容を高校3年次の授業に取り入れ、思考力や発言力を鍛えるためにディベートやディスカッションの授業も行っています。生徒が萎縮せずに発言する姿勢を身につけられるよう、普段の授業でも、たとえ間違った発言であっても頭ごなしに否定せず、すくいあげる授業を心掛けているんですよ」

そのため、ディベート以外でも生徒たちは実によく発言し、授業は活気に満ちているという。



様々なバックグラウンドを持った経験豊富な教員が揃う

さらに、海外留学制度も充実。中学3年、高校1年次には夏休みを利用した2ヵ月間の交換留学プログラムが用意されている。

実は、植松先生自身も、英語に興味を持ったのは高校時代の留学がきっかけだった。

「高校2年の時、交換留学制度を利用して米・ミシガン州に1年弱滞在しました。実は、それまで英語よりも数学の方が好きだったのですが、留学を通じて海外の人と英語でコミュニケーションする楽しさを実感できたのです。生徒たちにも多感な時期に海外で学ぶ機会を出来る限り提供したいと思っています」

大学卒業後、法科大学院に通ったこともあり、しばらくの間は法律事務所に勤務していたが、抱き続けてきた教員への思いが忘れられず、一念発起して大学に入り直し教職免許を取得した植松先生。学校改革の一環として、社会経験のある教員を求めていた広尾学園に採用され、今年で7年目を迎えた。

「外国人教員の国籍はイギリス、カナダ、オーストラリアなど様々。私と同様に、教員以外の社会人経験がある教員も多く、多様なバックグラウンドを持つ教員同士で刺激を受けあっています。また、生徒たちも、法科大学院や法律事務所時代の経験を話すと目を輝かせて聞いてくれますし、司法講演会や裁判傍聴などの司法関係の教育プログラムを生徒にすすめる際にも、過去の経験が生きていると思います。

生徒たちには英語力をベースとして、幅広い知識や教養を身につけ、将来国際社会で活躍できる人材になってほしい。そのために、私たち教員も己の経験をいかして、学ぶことの楽しさを教えていきたいと思っています」

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