2月7日、「東京都アンサンブルコンテスト」(以下、都大会)の木管三重奏で、芝中学校・高等学校吹奏楽部のメンバーが「金賞」を受賞しました!
編集部は、金賞を獲得した三人に、コンクールまでの練習の様子や楽器に対する想いなどを伺いました。
ソプラノサックス:鳥野見 知高君(中3生・写真左)
クラリネット:村田 優君(中2生・写真中央)
フルート:岡 大樹君(中3生・写真右)
芝中学校・高等学校の吹奏楽部は全部で34名。通常は月、水、金、土曜の放課後に練習しています。まずはパートに分かれて練習し、木管・金管に分かれて演奏、その後合奏という流れで練習します。このほかにも、校庭や芝公園でステージドリルの練習をする日もあります。
定期演奏会やコンクールの前には、月曜日から日曜日まで毎日練習に励んでいます。三人は、本大会の予選に向けて約一か月間かけて、練習に励んでいました。
1月23日に「東京都中学校アンサンブルコンテスト」(予選)が開催され、参加した340チームから上位22チームが2月7日の本選である都大会に出場する権利を得られます。都大会に出場した22チーム中、上位7チームが「金賞」、8チーム目以降が「銀賞」や「銅賞」となり、三人は「金賞」を受賞しました。なお、芝中学校・高等学校吹奏楽部から他の部員も本大会に出場し、金管五重奏で「銀賞」を獲得しました。
同コンテストにおいて、一昨年は「銅賞」を獲得しましたが、それまでは予選で敗退することが多かったそうです。今年、見事に「金賞」を受賞された三人にお話を伺います。
村田君・岡君・鳥野見君
中1からです。
岡君
家にグランドピアノがあるので、少しだけピアノをしていました。
鳥野見君
ドイツに住んでいたとき、兄がフルートを演奏していたので、私もリコーダーやピアノを音楽教室で習っていました。日本に帰国後は、気分転換にドラムをやっていました。
村田君
私自身は何もしていませんでしたが、兄が現在吹奏楽をしていて、母も以前に吹奏楽をしていた影響があり、私も楽器をはじめました。
村田君
いえ。学校のみです。顧問の橋本先生からクラリネットを教えていただいています。
岡君
はい。個人的に教室にも通っています。
私は東京フィルハーモニーの定期会員になっていますので、毎月一回は演奏を聴きに行きます。 そのほか、海外のマスタークラス(※)の個人レッスンを聴講します。 国や先生によっても教え方が違いますが、そこから自分に合ったもの・やりたいものを選んでいます。
マスタークラス(※)…第一線で活躍する演奏家等から直接指導を受けられる公開レッスン
鳥野見君
ときどき家でも練習します。個人的にも習っています。
それよりも、演奏会に足を運んで、良い演奏に触れることで自分も上達する気がしています。 実際に鑑賞すると、音だけでなく、演奏家の息づかいや志が伝わってきます。演奏会に行った後は、自分も吹きたくなります。
岡君
予選の舞台に立つまでが一番緊張しました。本選はそれほど緊張しませんでした。
鳥野見君
本選より予選が緊張しました。中学生で大舞台に立てる機会は少ないので緊張します。
関係者以外の方々に向けての演奏は、観客の視線など重みが違いました。
村田君
予選の4日前から毎日夢を見てしまうくらい緊張していて、電車の中でも、常に緊張していました。
本選の会場「府中の森芸術劇場」は2,000席以上ある大ホールで、その中に三人だけで演奏するのは初めての経験でした。 ただ、舞台に立って演奏を始めると少しずつ落ち着いてきて、結果的には普段どおりに演奏できました。
鳥野見君
ほとんどありませんでした。驚きが強かったです。
今までに積み上げたものはそれほどありませんので、自分がやりたい演奏を思いっきり出来ました。
普段は、自分達の演奏がどのレベルにいるのかが分かりにくいのですが、こういうコンテストで精一杯演奏して認められると嬉しいです。
そして、今年は都大会に特別な想い入れがありました。なぜならこの日は岡君の誕生日でしたので、「思い出に金賞をとろう!」という気持ちがありました。
岡君
練習してきた「時間」と「密度」が、結果に影響したと思います。
他の人たちと比べると、私たちの技術はまだまだ劣りますので、音色をきれいに、大人っぽい演奏ができるように心がけました。
村田君
部活が好きというよりは楽器が好きです。一日吹かないと鈍る気がします。思い通りにいかないとイライラすることもありますが、調子が良いと吹いていて楽しいです。
鳥野見君
私にとって、楽器の演奏はストレス発散にはなりません。自分の演奏は好きではありません。なぜなら、まだまだ上手くないからです。毎日悩みながら演奏しています。
それは辛いですが、精一杯演奏した後、みんなからの拍手が嬉しかったり、コンテストで入賞する達成感のために続けられています。
岡君
フルートは命の次に大切です。吹かない日があると「昨日さぼってしまったな…」と罪悪感に襲われます。今の自分から音楽を取ったら何も残らないです(笑)
吹奏楽部の顧問である橋本武士先生は、音楽理論が専門。元々はクラリネットを演奏されていました。橋本先生に、三人の魅力を伺いました。
橋本先生
音色がきれいで大人っぽい演奏をできることが三人の強みです。アンサンブルコンテストの人数枠は1チーム8人までです。大人数のほうが有利になりやすいため、三人のみで金賞を受賞したのは珍しいことでした。
さらに、この三人は色々なことに対して感性が豊かです。たとえ他の金賞チームと比べて技術が劣っていたとしても、彼らの演奏が「心にぐっときた」「感動があった」といった審査員からの感想をいただきました。音楽は心だと思いますので、観客や審査員の皆さんに彼らの魅力が伝わって良かったです。
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