2016-04-18

中学受験のプロ樋口義人先生が教える
1年間で合格を勝ち取る受験生活アドバイス!!第2弾

中学受験は親の熱意が合否に大きく関係します。4月から入試本番に向けてスタートするにあたり、保護者に向けて中学入試の変化とその対応の仕方、また志望校の選び方など受験生活のポイントについて、中学受験のプロ樋口先生にお聞きしました。親子で第一志望合格を勝ち取ってください。



-- 6 年生にとっては入試まであと1年となりました。受験までの1年間を前に、保護者が押さえておきたいポイントはありますか。

樋口 まず、2016 年は中学入試が大きく変わった年となりました。2016 年の特徴は、一言でいえば入試形式の「多様化」です。
 従来ですと、2科目、4科目、あるいは2科目・4科目選択の形式がほとんどでしたが、2016 年度は、従来の形式に加えて、教科をまたいだ総合形式(合科型)とPISA型つまり適性検査型、この2つの記述式の入試が多く導入されてきました。
 これは、2020 年の大学入試改革で、従来の「知識・技能」とあわせて「思考力・判断力・表現力」を問う新方式が導入されることを見据えて、中学校側も入試改革に取り組んだためです。
 また、グローバル入試、英語を取り入れた入試、ポテンシャル入試、リベラルアーツ入試など新たな入試を導入した学校もありました。英語を導入した入試とは、従来の科目(国算理社)プラス英語で受験したり、英検を持っていると優遇されたりする入試です。これらの入試は、学校側が生徒に多様性を求めています。
 従来の入試では図れない、画一的ではない生徒。中学受験のための塾に早くから通っていない、小学校の勉強と運動などをして生き生きと生活している生徒で、素質があって伸びるタイプを求めているようです。
 保護者の方は、従来型の4科にとらわれず、いろいろな入試があるということを理解して、興味を持って学校説明会で聞いてほしいですね。


-- 中学入試に変化があったということですが、変化は入試だけでしょうか。

樋口 入試が変わったと同時に、中高一貫校の教育も「思考力・判断力・表現力」を養うカリキュラムに変化しています。体験学習などを中心としたアクティブラーニングの導入が行われています。それが中学入試の変化につながっているわけです。
 中学入試は、以前から記述式が多かったのですが、これからさらに記述式の出題が増えることは間違いないと思います。

これからの入試で問われるのは「 思考力・判断力・表現力」

-- これからの中学入試では「思考力・判断力・表現力」を問う出題に対応することが必要になりますね。

樋口 中学校が求めているのは、自分で物事を考え、判断して、表現できる生徒です。もちろん、従来の4科の学習は大事です。その上で対策をとる必要があります。


-- 家庭で「思考力・判断力・表現力」につながるような体験の機会を設けることは出来ますか。

樋口 家事を手伝わせることが有効だと思います。台所の手伝いや植木の世話、小動物の世話をして、勉強以外の日常生活をできるだけ多くする。保護者には時間を工夫していただいて、ぜひ自然を味わわせてあげてほしいと思います。例えば、山に連れて行ったら、そこでしかできない体験や感動があります。この時期は肌で触れたことが非常に身に付く年代です。そういった体験が、「思考力・判断力・表現力」の土台になりますから。
 また、自ら考え、判断して、議論するといった訓練も必要になってきます。こういう問題に強くなるためにはニュースに興味を持たせることが必要になります。
 保護者は、子どもに興味を持たせて、一緒にディスカッションをし、訓練を重ねさせることが大事になります。一緒にディスカッションする際に保護者が気をつけたいことは、本人に聞くことですね。「あなたはどう思う?
 母さんはこう思うけど、あなたはどう思う?」。そして答えたら、「すごい!」と誉めてあげましょう。そうすると、誉めてもらえるからどんどん自分の意見を言うようになりますよ。

-- 学校の「求める生徒像」はどうすればわかりますか。

樋口 それは学校説明会で聞くことができます。一般的に、学校説明会は1学期に学校の概況が説明されます。2学期は、入試についての説明です。入試要項と入試問題の傾向、どういう子に入ってほしいかという「求める生徒像」を説明しますので、ここで確認してください。
 また、志望校の学校説明会には1学期、2学期とも参加してほしいですね。1 学期は志望校以外の学校にも足を運んだほうがいいと思います。比較できれば、なぜその学校を選んだのか明確になります。
 そして、いよいよ年末になると、子ども本人が参加できる「入試問題の勉強会」が実施されます。中学校の先生から直接、入試傾向を聞いて、模擬問題や過去問を解くことが出来ます。その後で、勉強方針を教えてくれる学校もあるでしょう。この勉強会にはぜひ参加してほしいですね。この勉強会に参加するメリットは、まず子どもにその学校に一度行ったことがあるという安心感を与えます。また、子どもが直接、先生と接することで相性が見えてきます。もし、好きな先生とか、相性のいい先生の話なら自然と言葉は耳に入ってきて楽しいと感じることでしょう。


志望校は本人も家族も入学したいという気持ちの強い学校から選ぶ

-- 志望校の選び方を教えてください。

樋口 これからの入試では偏差値では図れない部分を問われる場合もありますので、あまり偏差値にとらわれないほうがいいと思います。5 ポイント程度をゾーンとしてとらえおく程度でよいと思います。
 それよりも相性を大事にしたほうがいい。相性は学校に何度か行ってみて、先生方や在校生の様子、雰囲気などで確認してください。本人も家族も、入学したいという気持ちの強い学校の中から選びましょう。
 このほか、カリキュラムに工夫がされているか、生徒の自主性を重んじているか、クラブ活動ではのびのびと活動しているかなど、気になるポイントをまとめておき、学校訪問の際などにチェックしましょう。主なチェック項目を一覧にまとめましたので志望校を検討する際に参考にしてください。


-- 出願は何校ぐらいを考えておくのがよいでしょか。

樋口 中学入試は2月1日・2日でほぼ決まります。1日・2日とも午後入試にも出願し、受験しましょう。また、1月中の試し受験はぜひ受験しておきましょう。
 例えば、アタック校3校、安全校1校、試し受験校2校として、計6校は考えておいたほうがいいでしょう。ただし、2月3日以降にも出願して備えておきましょう。

-- 最後に合格対策のアドバイスをお願いします。

樋口 上位校でも、基本問題のケアレスミス・計算ミスなどで合否が分かれるケースが多くあります。計算と漢字書き取り練習は毎日行ってください。
 また、記述対策と志望校の過去問になるべく時間を割き、慣れることが大事です。第一志望校はなるべく早く決めて、動かさないようにしましょう。できれば同レベルの入試問題や似た傾向の問題を幅広く解いておくとよいですね。
 ぜひ親子で合格を勝ち取ってください。


この記事は『2017年度入試用中学受験案内』(旺文社)より転載しました。

■ 中学受験センター代表 樋口 義人先生 プロフィール
日能研、ena、首都圏中学模試センターなどで長年中学受験指導に携わり、多くの受験生を合格に導く。その実績と経験に裏打ちされた的確であたたかな受験指導と学習指導は、受験生とその親から絶大な信頼を得ている。






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