2012-10-05

秋の受験生応援企画
子どもの成績がアップする保護者のサポート術


清水章弘さん、25歳。2011年に東京大学教育学部を卒業し、東京大学大学院教育研究科に進学されました。2008年に、学習塾プラスティーを立ち上げた若き起業家としても注目されています。これまでに3冊の本を出版し、中学生・高校生に「勉強のやり方」を伝えています。今日は、清水さんの中学・高校・大学時代のお話や、ご家族の教育方針、受験生の保護者、受験生に向けて勉強のアドバイスをお伺いしました。

清水章弘

株式会社プラスティー教育研究所
代表取締役 清水章弘


学生時代は生徒会長、応援団長等を兼任。学校生活と勉強を両立するための秘訣とは?


── 清水さんは中学・高校時代、どのように過ごしていましたか。

07新宿区にある私立校、海城学園に6年間通っていました。
生徒会長、サッカー部、応援団長、文化祭実行委員など様々なことを経験しました。特に中学生の頃は、すべてを兼任していたので、毎日学校に遅くまで残っていました。いろいろな活動をしながら成績で上位をとり続けるのは大変でしたが、なんとか現役で東京大学に合格しました。


── 学校生活と勉強を両立できた秘訣を教えてください。

「いつ」「何を」やるかの時間管理、つまりタイムマネジメントが鍵となります。その方法をご紹介します。まず自分が帰宅してから使える最大の時間を調べてみましょう。その方法は、「寝る時間」から「帰宅時間」を引いて、そこから「ご飯にかける時間」と「お風呂に入る時間」を引きます。そうすると「自分が自宅で使える時間」が出てきます。その中で、「時間をどのようにうまく使って勉強するか」が鍵となります。どんなに忙しくても、今、自分は何時間持っているのかを計算して、その時間にやるべきことを優先順位の高い順に行動していました。

── そのタイムマネジメントの方法は、ご自身で考案されたのですか?

家族に教えてもらいました。勉強のアドバイスは、かつて英語の個人塾を経営していた母と二人の兄から教えてもらう機会が多かったです。

── 勉強に対して、ご家族のアドバイスがあったのですね。

海城学園の先生に教わったことも多かったですが、自分の勉強のやり方は、家族の教えもベースになっています。
清水家では物事の本質を探究するために「そもそもなぜ○○なのか」を考えさせられました。勉強の話ばかりではありませんでしたので、勉強には自分で応用して考えました。そもそも勉強は何のためにするのか、ノートをとる理由は何なのか、授業は何のために受けるのかなど、勉強において「なぜか」を深く考えるようになったのは、家庭教育のお陰です。感謝しています。

── ご家族の教えの中で、心に残っていることはありますか。

母は教育熱心でしたが、父は「行ける学校に進学しなさい」という姿勢で、私の受験に対してそれほど興味はなさそうでした。けれども、人生の大事な節目に的確なアドバイスをくれました。

例えば、私が小学4年生の頃に、プロのサッカー選手を目指すか、中学受験をするかの進路選択において本気で悩んでいたときのことが忘れられません。父から「両方やると中途半端になるから、どちらかを選べ」と言われたことが印象に残っています。

また、「ケーキは切って食え」という父の言葉も印象に残っています。何かあるたびに、この言葉で説教をされました。たとえば、英単語の暗記宿題が100問出たとします。こういうときに困っていると、よく「ケーキは切って食え」と言われました。どういうことかと言えば、父は「ケーキは丸ごと食べようとするのではなく、切って少しずつ食べなさい」と伝えたかったのです。難しいことに取り組むときも一気に進めるのではなく、分割して「いつまでにこれをやる」と時間管理をするのがよい、という意味だったのです。デカルトの「困難は分割せよ」が元になっているのだと思います。

── 清水さんが教育分野を目指されたきっかけは何だったのでしょうか。

14歳のときに教育問題に目覚めました。
学校の授業(総合学習)で、自分で社会問題を設定してレポートを書く課題がありました。テーマに悩んでいたのですが、ある日、テレビで「ゆとり教育の是非」をテーマにした討論番組を見ていたところ、「ゆとり教育のために、1987年生まれ以降は馬鹿になる」と言われていました。
「1987年生まれ以降って大変だなあ」と思っていたら、まさに自分が該当年の生まれであることに気がついたのです。自分たちが作った制度ではないのに、馬鹿にされるのはおかしいと思い、ゆとり教育について調べ始めました。

そして、討論番組に出ていた人たちの事務所に電話をして、取材の依頼をしました。オギママこと尾木直樹さんや、和田秀樹さんなど合計100人以上の教育関係者に取材をしました。教育関係の方々はとても優しい人たちばかりでしたので、いち中学生の取材にも快く応じて下さいました。そうして取材をさせて頂いている中、教育問題の奥深さに魅力を感じ、自分も教育の分野へ進もうと思いました。

そのときに読んでいた本で一番面白かったのが、東大教育学部の教授の著書でした。それが理由で、東大教育学部に入ろうと決めました。

確かにこの総合学習は受験勉強には直接関係はないかもしれません。でも、もし、受験に関係ないと思ってレポートの課題をさぼっていたら、今の自分はいません。 ですので、学校の授業を大切にしていて良かったと思います。両親からも、「受験よりも大事なことを学べるから、学校の授業は大切にしなさい」とよく言われていました。

── 東京大学在学中に、学習塾「プラスティー」を起業されましたが、「プラスティー」ならではの教育に対する考え方を教えてください。

学力を伸ばすためには単に勉強を教えるだけではなく、子どもたちが自ら主体的に学ぶ力を身につけさせる必要があります。「なぜ勉強するのか」「どうやって勉強するのか(勉強のやり方)」を一緒に考えます。それらを自分なりに掴んだ子どもたちは、主体的に学び始めます。プラスティーでは、小学生から高校生までを対象とした「勉強のやり方」を教えています。

勉強には、「何を」「どう」学ぶかという二つのポイントがあります。そこで「プラスティー」では、「どう学ぶか」に応える「学習コーチ」というメニューと、「何を学ぶか」に応える「教科指導」というメニューを用意しています。例えば、「学習コーチ」では、一週間分の学習計画を生徒とともに作成し、「習慣化シート」(=生活と学習の予定を立て、あとから実際の行動を書きこみながら、自分の生活リズムや習慣をチェックできるようにするためのシート)に記入をして自宅学習の習慣化を図ります。その後、復習テストや習慣化シートをチェックすることで、学習の進捗度を測定します。学習リズムの問題を発見し、解決策を翌週の計画に反映するといったサイクルで回しています。また、「教科指導」ではオリジナルの教材を用いて英語・数学・国語を具体的に指導しています。

── なぜ起業しようと思われたのですか。

大学在学中に、体育会系のホッケー部に所属をしていましたが、大けがをしてしまい、8ヶ月間も戦線離脱していました。週5日間、1日5時間の練習が出来なくなり、自宅で筋トレをする日々が続いた頃に、フラストレーションが溜まり、一心不乱に本を読みました。そのときにまた教育への想いが沸いてきたのです。

起業の構想について両親に相談したところ、父からは「一度決めたことは最後までやりとげろ。だから部活も最後まで続けろ」と言われました。

そのため20歳で起業したあとも、部活は続けていました。朝遠征に行ってから授業に出て、16時から21時まで部活、22時から仕事をする日々が続きました。1年間は会社で寝泊まりをしていたので、自宅に帰れる日は月に1日程度でした。体力的にも精神的にもとても辛かったですが、大学4年の秋リーグの引退試合まで部活を続け、学業と仕事を両立することができました。

── 毎日ハードですね。普通はそこまで忙しい生活を送ると参ってしまうと思うのですが…。

疲れたときは、倒れるように実家に帰りました。家族がとても仲が良かったおかげで、何があっても自分には帰る場所がある、という精神的な安定感がありました。ですので、いろいろなことに挑戦することができました。

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