2012-10-05

秋の受験生応援企画
子どもの成績がアップする保護者のサポート術


テストで良い点を取るための勉強術


── 自主的に勉強する子どもを育てるために、保護者がしてあげられることを教えてください。

09私は両親が楽しそうに勉強する姿を見て育ちました。正直「勉強のどこが楽しいんだろう…」と思っていた時期もありましたが、あるとき「勉強って楽しい!」と気づき、「スイッチ」みたいなものが入りました。後から考えれば、両親は自分自身が勉強する姿を見せながら、私のスイッチ入るのを待っていたのだと思います。

このように、私は保護者の方々も勉強を続けることが大切だと思います。たとえば、親が楽しそうに読書をする姿を見ていれば、きっとお子さんも書物に興味を持つのではないでしょうか。
また、子どもが勉強を好きになるように、サポートしてあげて頂けたら嬉しいです。

子どもは勉強するのが楽しいと感じなければ、なかなか続けられません。楽しくなければ、何事も続かないのです。
子どもが勉強を「楽しい」と感じるときは2つのパターンがあります。「褒められた時」と「勉強がわかった時」です。
心理学的に言えば、前者は「内発的動機づけ」、後者は「外発的動機づけ」です。ちなみに、「動機づけ」とは「やる気・モチベーション」のことです。前者は、知的好奇心や興味、関心など本人に内在するもの。後者は賞罰や賞賛・叱責など他者からの働きかけによるものです。
子どものやる気が持続するには、「内発的動機づけ」が必要です。自ら勉強への興味や関心を持つことができれば、勉強を続けられます。その気持ちを引き出すために、良いタイミングで「外的動機づけ」である、褒めてあげることが大切です。ただし、褒めたりご褒美をあげるだけでは、勉強へのやる気は持続しづらくなるので注意が必要です。勉強そのものの面白さに気がつくようにしなければなりませんし、成功体験を積んでもらわなければなりません。そこらへんは指導者(教師など)の役割も多分にありますが、ご家庭全体で「学ぶことが楽しい」という環境づくりを心掛けて頂きたいです。

── テストで良い点を取るための勉強術について教えてください。

清水章弘《成績が上がるノート術》
まず、私の経営する塾(プラスティー)でオススメしている「ノート術」についてご紹介します。板書を綺麗に写しているだけでは、授業に集中している「つもり」になってしまいがちです。その問題を「ノートの取り方」で解決するのです。

まず、右半分はメモに使います。板書は左半分のみに書くのです。右半分のメモ部分には授業中の先生の言葉をできるだけ多くメモするようにしてください。先生の言葉をひたすら書き取ろうとすれば、自ずと授業に集中できます。また、後で復習するときも授業の内容を思い出しやすくなります。ちなみに私は高校時代、ノート半分いっぱいにメモを取っていました。もちろん、考える時間も大切なので、慣れてきたらメモを取ることだけに気を取られないようにしてください。

2つ目は「消える化ノート術」です。
授業中に先生が板書したところをオレンジのペンで書くというものです。オレンジで書いた部分は赤シートを乗せれば消えますから、問題集のように使えます。またオレンジ色のペンで書くことで緊張感が生まれ、授業により集中できます。

《授業終了後と開始前、1分間で復習を!》
授業が終了したときと開始前には、たいてい1分間ほどザワザワした時間があると思います。生徒が席についたり、先生がプリントを配ったりする雑然とした時間を、ぜひ復習時間に当ててみてください。思いのほか効果が現れるはずです。
この方法を実際に導入して頂いた東京都市大学等々力高校では、全国模試で世界史の平均偏差値が大幅に上がる(あるクラスの平均偏差値が69に!)という効果が出ました。

《参考書は3回繰り返す》
「東大生」と聞くと、「頭がいい」という言葉がすぐに浮かぶと思います。しかし、私はそうだとは思っていません。実は東大生は頭がいいのではなくて、「人間は頭が悪い・忘れやすい」ということを周りの人より知っているのだと考えています。
「忘れやすい」というのは、みんな一緒なのです。ほとんどの人は自分が忘れやすいという現実を目の当たりにすると、諦めてしまいます。つまり、「自分は勉強が苦手だから…」「暗記ができないから…」などと考えてしまいがちです。けれども東大生は、「自分は忘れやすいから、何回も繰り返して覚えよう」と繰り返し、何度も何度も覚えようとするのです。
多くの東大生は「中高時代、問題集を3回繰り返す」のが基本だと考えていますが、これは私も含め本当の話です。「これだけ復習すれば覚えられる」という回数を繰り返すことがとても大事なのです。

《暗記ドア勉強法》
では、具体的な暗記法をお話しましょう。
これは私が受験生のときに実際に行っていた勉強法です。
それは「ドアに付箋を貼る記憶術」です。私は「暗記ドア」と呼んでいます。
大きめの付箋に暗記したいことを書いて、家中のドアに貼ります。そして、覚えるまでドアを開けてはいけないというルールを作るのです。こうすると、付箋の内容を暗記しなければ外に出られませんから、なんとしても覚えなければなりません。
ただし、付箋の内容を覚えたらすぐ外すようにしましょう。貼りっぱなしにすると、緊張感が薄れてしまいます。「集中して覚え、暗記したらすぐに外す」ことで記憶力アップにつなげましょう。

《「いま勉強していることを教えて…」教えることが一番の学び》
保護者の方にお子さんの生徒役になっていただくことも一法です。人に教えることが一番の学びになります。勉強したこと(インプット)を人に伝える(アウトプット)ことで、自分の知識を活用する力が養われるのです。
先にもお話した「オレンジペンを使ったノートの勉強法」や「付箋暗記術」などが「インプット」と呼ばれる作業ですが、得た知識を実際に活用してみるのが「アウトプット」です。
いくらインプットしてもアウトプットしなければ自分のものにはなりません。
私は高校生の頃、母親からよく「いま学校で勉強していることを教えて」と聞かれました。今から考えると、この説明が大変勉強になりました。勉強の内容をきちんと理解していなければ、うまく説明できないからです。ぜひお子さんに今学んでいることを聞いてみてください。

―最後に、読者の方に何かメッセージをお願いします。

チャンスとチェンジは、英語で「CHANCE」と「CHANGE」です。この二つのスペルはとても似ていますよね。違うのは「C」と「G」だけで、「C」に小さな「T」を足せば「G」になります。この「T」は「Try(挑戦する)」の「T」です。これがプラスティー(PLUS T)の社名の由来です。
チャンスにトライして、日本の教育をチェンジしよう!という夢がこめられています。
自分の身の回りのことにチャレンジして、自分自身をチェンジしていくことがとても大切だと思います。

また、お子さんたちには、受験勉強以外の様々なことに挑戦してほしいと思っています。
勉強は効率的にこなし、それ以外の時間では、その時にしかできないかけがえのない時間を過ごしていただきたいです。

中には勉強が苦手なお子さんもいらっしゃると思います。しかし、勉強ができないのは自分のせいだけでなく、勉強方法を知らないからです。今回お話したような“記憶術”や“授業の受け方”などを実践すれば、わかる喜びを得ることができますし、その喜びが次を学びたい、という気持ちになります。
きっと勉強が楽しくなるはずです。
学ぶことの楽しさをどうか知ってください。


プロフィール

清水章弘(しみず・あきひろ)

1987年千葉県船橋市生まれ。東京大学大学院教育学研究科に在籍中。中学高校時代に生徒会長、サッカー部、応援団長、文化祭実行委員などを経験しながら東京大学に現役で合格。大学では体育会でホッケー部で週5日(1日5時間)練習する傍ら、20歳で株式会社プラスティーを立ち上げる。全国の学校で講演をしている。2012年、青森県三戸町教育委員会の学習アドバイザーに就任。著書に『習慣を変えると頭がよくなる』『勉強がキライなあなたへ』(高陵社書店)、『自分でも驚くほど成績が上がる勉強法』(実務教育出版)がある。

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