清水章弘さん、25歳。2011年に東京大学教育学部を卒業し、東京大学大学院教育研究科に進学されました。2008年に、学習塾プラスティーを立ち上げた若き起業家としても注目されています。これまでに6冊の本を出版し、中学生・高校生に「勉強のやり方」を伝えていらっしゃいます。今回の連載では、清水さんに、中学生の皆さんに向けた、勉強法についてのアドバイスをお聞きしました。
株式会社プラスティー教育研究所
代表取締役 清水章弘
【清水先生の記事一覧】
・第1回 【入試直前特別号】 焦りを解消する勉強法
・第2回 【入試直前特別号】 入試本番で気をつけること
・第3回 【英語の勉強法】 この春にやってほしい「3つのこと」
・第4回 【数学の勉強法】 とっておきのノートの作り方
・第5回 【国語の勉強法】 国語の知識ってどう増やす?
・清水さんのインタビュー記事はこちら
・好評連載!清水章弘先生の受験生活お悩み相談室はこちら
皆さん、こんにちは。プラスティーの清水章弘です。
1月からスタートした全5回の連載もとうとう最終回。今回が最後となってしまいました。
前々回が英語、前回が数学の勉強法でしたが、今回は国語です。
実は、国語が全教科を支えている!
実は、国語って、他の教科の学力にも影響を及ぼしているのです。
例えば、英語。英語で和訳をするときには、正しい日本語の使い方ができないと、うまく訳すことはできません。
さらに、自由英作文や条件英作文を書くときは、平易な言葉で言いたいことを表現する力がないと、書くことができません。
数学で言えば、証明問題などでは論理的な文章を書く力が必要になります。
関係のなさそうな社会でも、最近はグラフからの読み取り問題が増えているため、読み取ったことをまとめる力が必要です。
これらは国語で養われるものです。国語で養われるこれらの力が、他教科の学力を支えているのです。
国語の大切さを証拠付けるものとして、入試での国語の配点があります。
理社の配点が低い(もしくは受験科目としていない)学校はありますが、国語の配点が低い学校はほとんどありません。
どの学校も、国語をそれだけ大切に思っているのです。
どうでしょう。国語という教科、少しは大切に思えてきましたか?
そんな大切な教科、国語ですが、今回はそのなかでも、この春休みに真っ先に取り組んでほしいことをお伝えしたいと思います。
それは、「知識をつける」ということ。
知識とは①漢字の読み書き、②ことわざ・慣用句、③熟語です。
この3つは勉強すればするだけ点数は伸びると思いますが、また別の効果もあります。
それは読解力がつくこと、もう少し具体的に言うと、「難しい文章を読めるようになる」ということです。
難しい文章には、難しい言葉が並んでいます。難しい漢字が出てきたり、意味のわからない言葉が多く並んだり。
①漢字の読み書き、②ことわざ・慣用句、③熟語という知識を増やしていくことで、そういう文章がいまよりスラスラと読めるようになります。
では、知識をつけるためにはどうすればよいのでしょうか。
今回も 前回 同様、1冊のノートを作ってみましょう。
前回の数学の勉強法では「間違い直しノート」でしたが、今回は「知識ノート」の作り方をご紹介します。
①漢字の読み書き、②ことわざ・慣用句、③熟語を、まとめて1冊にして構いません。学校の教科書で出てきたものや、本や雑誌、インターネットを見ていてわからなかった言葉をここに書き込んでいきます。
まず、漢字と熟語のページは4段に、ことわざ・慣用句のページは3段に分けます。
書く内容は以下の通りです。
【漢字・熟語】
画像をクリックすると、本文が拡大されます!
1段目には、ページ数と行を書きましょう。本や雑誌、インターネットであれば、その引用元を書きます。
2段目には、漢字ページではわからなかった漢字の読みを、熟語ページではわからなかった熟語を書いてください。
3段目には、漢字ページでは漢字を、熟語ページでは熟語の読みを書いてください。漢字とひらがな(読み)で段を分けるのは、後で「書き取りテスト」ができるからです。
4段目には、辞書に載っている意味を書きましょう。例文が載っていたらそれも書いてください。例文は該当箇所を四角で囲んで問題形式にすると、あとで「ひとりテスト」ができて便利です。
【ことわざ・慣用句】
画像をクリックすると、本文が拡大されます!
1段目には、ページ数と行を書きましょう。本や雑誌、インターネットであれば、その引用元を書きます。
2段目には、わからなかった言葉の見出し語を書いてください。
3段目には、辞書に載っている意味を書きましょう。例文が載っていたらそれも書いてください。例文は該当箇所を四角で囲んで問題形式にすると、あとで「ひとりテスト」ができて便利です。
今回は「知識ノート」の作り方をご紹介しました。
このようなノートは、世界に1冊だけのオリジナル辞書になります。ことあるごとにパラパラとめくって、どんどん覚えていってくださいね。
以上で私の連載は終わりです。
あっという間の5回でしたが、いかがでしたでしょうか。皆さんにとってひとつでも役に立つことがあったのであれば、それ以上の喜びはありません。気になったものがあれば、定期的にこの連載を読み返してもらえるとうれしいです。
全5回、ありがとうございました。またどこかでお会いできるのを楽しみにしています。
知識を増やすためには、漢字検定などの検定試験を活用するのもオススメです。
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