2009-12-16

パスナビ スペシャルインタビュー
荻原健司さん


荻原健司さん

親の真剣さが子どもに勇気を与える

小学6年生からスキーを始め、ノルディックスキー複合の選手として冬期オリンピックに4度の出場を果たした荻原健司さん。引退後は教育支援活動に力を注ぎ、2004年には参議院議員に初当選。「スポーツマンシップ」を掲げてスポーツ振興・教育問題を中心に活動をしています。そんな荻原さんの中学時代はどんな子どもだったのでしょうか。お父様との思い出から「保護者が子どもの夢を真剣に受け止めることが、子どもに勇気を与える」と話してくださいました。


飛ぶことにチャレンジした父

荻原健司さん── ご両親は荻原さんの選手活動をどんな風に支えてこられたのでしょうか

両親は私のスキー活動を常に、全面的に支援してくれました。私は小学6年生から地元群馬県草津市のスキー少年団に入り、中学からスキー部に入りました。当時、群馬県は全国的に見るとスキーがそれほど強い県ではありませんでした。そこで父は、週末になると私と弟の次晴を、スキーが強豪と言われる長野県まで車で連れて行ってくれました。練習や競技会に参加するきっかけを与えてくれたんです。自分より強い人たちと一緒に滑ることは、大変刺激を受けましたね。

── スキーについて、お父様から何かアドバイスはありましたか。

私は、小中学生の頃はスキージャンプに夢中でした。父は若い頃、アルペンスキー※の選手でしたので、ジャンプの経験がほとんどありませんでした。ですから、技術面でアドバイスを受けた思い出はあまりありません。それでも時には「ジャンプはもっと低く、風の抵抗を受けないように出ろ」などと言われるんです。

中学生の時に「ジャンプを飛んだこともないオヤジに言われたくないんだよっ!」と強く言ってしまったことがありました。そうしたら、ある週末から、父の姿が見えなくなったんです。いつもは母と一緒に趣味の登山に出かけるのに、母は一人で家にいるんです。聞くとハンググライダー教室に通っているっていうじゃないですか。きっと「息子が言うようにジャンプがどういうものか実際に飛んでみなければ」と、父なりに真剣に考えての行動だったのでしょう。それを知って以来、私も「悪かったな」という気持ちになりましたし、父に対して少しずつ素直になっていったような気がします。

※アルペンスキー・ノルディックスキー…アルペンスキーは、いかに斜面を早く滑り降りるかを競うレース。制限されたコースを滑走してスタートからゴールまでのタイムを競う。斜面を滑るのに特化したアルペンスキーに対して、ノルディックスキーは距離とジャンプで争うスキー競技。

── 素晴らしいお父様ですね。子どもを持つ親として、今なら荻原さんもその気持ちがわかりますか?

ええ。スポーツだけでなく、勉強や受験でも、子どもが夢や目標を達成したいと思った時には、親も一緒に実現するような気持ちにならないといけないと思います。親が応援しないと子どもはついてこないし、やる気にならないと思います。

もしわが子が「お医者さんになりたい」と言ったら、「そうか、お医者さんになるためにはどんな勉強をしなければいけないか?」「どんな学校に行ったらいいのだろう? 調べてみよう」と、子どもと一緒になって取り組まないと。時には子どもにあつかましいと思われるかもしれませんが、そんなのは一瞬です。一番の理解者である親の応援ほど、子どもを元気にするものはないと思いますね。

「本気が本物」なら、辛抱する気持ちが芽生える


── スキーを続ける中でつらいことや、悔しい思いをしたこともたくさんあったと思います。どのように乗り越えてきたのですか?

自分に明確な目標があることが、大切だと思います。目標が本物であれば困難も乗り越えられるし、自ずと「乗り越えなければ」という強い意志が生まれるんです。  勉強でも同じだと思います。私は「早稲田大学に入ってスキーをやりたい」という目標を中学生の頃から持って勉強していました。

「本気が本物」だったら、その目標は達成できると思います。ちょっと厳しい言い方だけれど、途中であきらめてしまったら、その目標が本物ではなかった証拠です。誰でも合格をしたり優勝したくて頑張っている、でも合格する人とそうでない人が出てくる。その差は気持ちの持ち方によるところが大きいのではないか、と思います。

荻原健司さん── それでも、どんなに頑張っても良い結果を出せない時ってありますよね。

そうですね。もちろん負けてしまったことに対してはハッピーではありません。でも全力で戦って負けたとしたら、それは次への原動力になります。

選手時代「今日の調子だったらいけるかな、とりあえず滑っておこう」と“守り”の気持ちで臨んだ大会も、正直なところありました。でも、そういう時ほど後悔したことはありません。「ああ、バカだったな~。全力を出せばよかった」と猛反省です。

何度もそういう経験を重ねて「中身を徹底的に充実させて全力を尽くせば、結果はついてくる」という心境に至ったんです。

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