2010-12-15

パスナビ スペシャルインタビュー
数学者・大道芸人 ピーター・フランクルさん


ピーター・フランクルさん

知識があるのはかっこいい!勉強好きを育てた1時間の食事タイム

世界的な数学者であると同時に、大道芸人でもあるピーター・フランクルさん。子どもが勉強を好きになるには「知識があることはかっこいい」という気持ちを育てることが大事だと言います。そんなフランクルさんのやる気の源は、何でも知っているお父樣だったそうです。勉強への意欲を高める子どもとの接し方について聞きました。


何でも教えてくれる父が、私のヒーローだった


── フランクルさんは若い時から数学の才能を発揮されていますが、ご家庭では何か特別な教育方針があったのですか。

はっきりとした教育方針と言えるようなものはありませんでしたが、お昼に家族全員でテーブルを囲んできちんと食事をするという習慣は私が大人になるまでずっと続きました。

私が育ったのはハンガリーの小さな町で、医師だった両親の勤務先も、私の通っていた学校も家から歩いてすぐのところにありました。学校には給食がなかったので、授業が終わると家に戻ってきてご飯を食べるのです。両親もお昼には一度帰ってきて一緒に食べていました。

その時に、いろいろな話をしたものです。学校のことや友達のこと、どんなことでも両親は相談に乗ってくれました。

── 勉強のことについてはどうですか。

両親は「勉強をしなさい」とお説教をする代わりに、自ら模範となって示してくれました。私が勉強を好きになったのは常に勉強したり、考えている父を見ていたからです。父は百科事典のような人で、何を聞いても教えてくれました。もし父も知らないことがあったらそれをちゃんと認めて、本を買って読んだり一緒に図書館で調べたりしました。その時に「勉強は楽しい」「知識があることはかっこいい」と感じたのです。

私が高校生になる頃、父はすでに還暦を迎えていました。髪の毛も薄く、おしゃれでもありませんでした。でも町の人から敬愛され、忙しい時でも優しい顔で答えてくれる、私から見れば父は「知識のかっこよさ」を備えたヒーローだったのです。高校生になっても自分の父親が一番尊敬できる人だと思えたこと――それが、私の人生の中で一番恵まれたと思えることです。


少しの工夫で、すごいお父さん・お母さんになれる


── 日本の親を見ていると、仕事で忙しくて子どもとふれあう時間やかっこいいと思ってもらえる時間も作れないのが現実です。

私が一番悲しく思うのは、日本では親が子どもを応援しても、子どもが親を応援する時間や場面がほとんどないことです。

私の父はチェスが上手で、よく地元で開催されるチェスの試合に出ていました。私はいつも後ろで父が奇想天外な手を打ったり、相手の出方をすべて覚えていたりするのを見ていました。私は父を応援しながら「すごいなあ」と感じたものです。そして「よく考えて戦略を立てれば良い結果につながる」ということを学びました。

子どもにとって本当に大切なことは、親にすごいと言われることではなく、「親をすごい」と思えること。それを通して子どもはやる気が出るのです。

ピーター・フランクルさん── 「子どもに自慢できるような特技もない」という親はどうすればいいでしょうか。

忙しい日本のお父さんやお母さんが、自分の良さを見せることができるのは何と言っても週末でしょう。家族で郊外に出かける時に、その場所の歴史や、そこに咲いている花、生息している野鳥の名前をちょっと予習して覚えていくと良いんです。

すると子どもは「お父さんやお母さんはよく知っているんだなあ」と感じることができますし、もっと知りたいという気持ちになるはずです。

親に対する尊敬の念を抱いたり、「こんなお父さんやお母さんでよかった」と感じられたりする場面が、子ども達の成長にはもっと必要ではないかと思います。


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