清水章弘先生の受験生活お悩み相談室

2013-09-11部活動

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質問

ガクンと成績が下がってしまいました。
部活動を辞めさせたほうがよいでしょうか。

回答

部活動を辞めて成績が上がる中学生は、20~30%です。



皆さんはじめまして、清水章弘と申します。東京・飯田橋でプラスティーという学習塾を経営している東大院生です。以前、「保護者のひろば」にて、「東大生が教える! 中学生のための頭がグンとよくなる勉強法」という連載を持たせていただいていておりました。今回からは、「明日を元気に!パスナビブログ」のなかで、保護者の方々の「受験に対するさまざまなお悩み」に回答していきます。
私が経営するプラスティーは生徒数150名程度のアットホームな塾ですが、毎日さまざまなご相談をいただきます。
「定期テストの結果はよいけれど、模試になると点数が取れません」
「うちの娘は携帯電話・スマートフォンで遊んでばかりいます」
「受験を控えた息子に何をしてあげられるのでしょうか」
などなど…。質問は多岐にわたりますが、「皆さん、同じような悩みを抱えておられるのだな」と感じています。
このコーナーでは、多くの方にいただいたご相談を中心に、私なりの視点でお答えしてまいります。ぜひご参考になさってください。

部活動を辞めて成績が上がるのは20~30%


さて、初回は「部活」に関するお悩みです。引退が遅い運動部の中2~中3の保護者の方から、よくご相談をいただきます。これ、非常に難しい問題なんですよね…。生徒さんの性格に大きく関わってくるからです。ただ、まず最初に結論から申しますと、部活を辞めて成績が上がる中学生は、20~30%なのです。

この数字、イメージされていたものよりもずいぶんと低いのではないでしょうか。あくまで私の印象に過ぎませんが、部活を辞めて成績が下がる生徒が20~30%、変わらない生徒が50%、そして上がる生徒が20~30%です。では、どうしてここまで低くなってしまうのでしょうか。

最も大きな理由としては、「拍子抜け」と「油断」が同時に襲ってくるからだと私は考えています。とりわけ運動部で毎日忙しくしていた中学生の場合、家に帰ってきたら疲れてヘトヘトになっているのが当たり前です。さらに、時間がない。「さすがに少しくらいは勉強しなきゃなぁ…」と頭ではわかっていながらも、ベッドに倒れこむ毎日だったはずです。それが部活を辞めて、生活がガラッと変わってしまう。学校からの帰り道、2つのことに驚くことになります。「あれ?身体が疲れてない!」ということと、「あれ?時間がたっぷりある!」ということ。もちろん部活を辞める前から想像していたことでしょうが、いざ現実になると「拍子抜け」してしまいます。この「拍子抜け」だけでボーっとしだしてしまう中学生もいます。

「拍子抜け」の次に襲ってくるのは「油断」です。いままでは「時間がないのが当たり前」だったのが、時間がたっぷりできるようになります。たとえ受験勉強のために辞めたとしても、「今ごろみんなは部活をしてるんだし、少し遊んでもいいだろう」と思うのは自然な流れです。では、「拍子抜け」と「油断」が同時に襲ってくるなか、成績を上げられる20~30%の中学生とは、どんな子たちなのでしょう。

うまくいく子は「コツコツ型」か「ゴリゴリ型」


部活を辞めて上手くいく可能性があるのは、「コツコツ型」もしくは「ゴリゴリ型」の中学生だと私は考えています。「コツコツ型」は計画的に物事を進めることができる人、「ゴリゴリ型」とは短期集中で一心不乱にダッシュができる人のことです。「コツコツ型」の子は部活を辞めても淡々と勉強を進めていけるでしょう。「ゴリゴリ型」の子は部活を辞めて浮いた時間で、爆発的な結果を出してくれるかもしれません。でも、「コツコツ型」「ゴリゴリ型」どちらの子にも、「あるもの」がないと上手くいきません。それは何でしょうか。

それは、「絶対に達成したい目標(志望校)」です。「コツコツ型」であろうと「ゴリゴリ型」であろうと、目標がないと計画も立てられませんし、ダッシュもできません。「この高校に行きたい!」という明確なものでなく、「次の模試でいまより成績を上げたい!」といった目標でも構いません。どんなものであれ、自分を突き動かしてくれるような強い目標が必要になります。

このように、部活を辞めて上手くいく可能性があるのは、目標が決まっている「コツコツ型」か「ゴリゴリ型」という極めて限られた子たちなのです。だから、20~30%という低い確率になってしまうのです。

部活の引退後、受験モードに切り替わらない子は…


「部活を辞めさせたい」と焦ってしまう気持ちは大変よく分かります。ただ、私の経験上、部活は最後まで続ける方が上手くいく確率が高まります。本人が望まれるのであれば引退まで応援してあげ、引退後にビシッと受験モードに切り替えてもらうのがよいでしょう。引退後、なかなか受験モードに切り替わらない子の場合は、部活の引退後に顧問の先生や担任の先生から厳しく言ってもらいましょう(とりわけ男子はお母さまの言うことはなかなか聞かないはずですから…)。

お子さまの性格と状況(目標の有無)を見極め、的確なアドバイスをしていただけたら幸いです。ご本人の意志がいちばん大切ですので、無理やり「辞めろ」「続けろ」と強制するのではなく、まずはご本人の考えを聞いてみてあげてください。



morokoshi




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プロフィール

清水章弘-2011年に東京大学教育学部を卒業し、東京大学大学院教育研究科に進学。2008年に、学習塾プラスティーを立ち上げた若き起業家としても注目されている。これまでに6冊の本を出版し、中学生・高校生に「勉強のやり方」を伝えている。著書に『中学生からの勉強のやり方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)や『現役東大生が教える! 頭がよくなる7つの習慣』(PHP文庫)がある。


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