清水章弘先生の受験生活お悩み相談室

2014-09-12日常学習

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質問

国語が苦手な子どもに「読書習慣」をつけさせたいのですが、何かよい方法はありますか?

回答

とにかく本を好きになってもらうことです。クラシック音楽を好きになってもらうことと一緒だと思ってください。



蝉の鳴き声も聞こえなくなり、葉の色の変化が楽しみな季節になりました。読書の秋です。

読書の習慣をつけるのは難しいですよね。以前は「待ち時間とか暇だし読書でもしようかな」という思考回路がありましたが、最近はスマホがあるのでネットサーフィンしたり、動画を見たり、ゲームをしたり、楽しいこと三昧です。

私もスマホを手にしてから、読書時間が確実に減りました。ゲームはやりませんが、移動時間の多くは"facebook"やニュース閲覧アプリの"SmartNews"などで情報収集をするようになってしまいました。読書時間は減りましたが本は持ち歩いています。それは本が「好き」だからですね。

また、読書と言っても、マンガやライトノベルではなく、お子様にはちょっぴり堅めの本を読んでもらいたいという保護者が多いのではないでしょうか。そう考えると、今回のご相談はこのように書き換えることができると思います。「国語が苦手な子どもに、ちょっと堅めの本を好きになってほしいのですが、何かよい方法はありますか?」

クラシック音楽になぞらえて、考えてみる


僕は読書について相談を受けるとき、「クラシック音楽と一緒です」と説明することがあります。音楽は五感を使ってその世界に入り込むという点で読書に近いですし、クラシック音楽もちょっぴり堅めです。「子どもにクラシック音楽を好きになってもらいたい場合、どうするか」を考え、それを読書に置き換えてみようというのが私の提案です。

クラシック音楽は、多くの子ども達にとって馴染みのないものです。それを好きになってもらうにはどうしたら良いのでしょうか。

私は、大きく分けて3つあると考えています。1つ目は、とりあえずジャンルを問わず「音楽そのもの」を好きになってもらい、そこから拡げていくことです。ロックでもポップでもアニソンでも、掘り下げていけばクラシックとの接点が必ず存在します。

2つ目はクラシック音楽の中で好きな曲や作曲家を見つけることです。「カノン」「威風堂々」、モーツァルトやベートーヴェンなど少し聴いたことがある曲や作曲家から入るのもよいでしょう。かつて流行った「のだめカンタービレ」などのドラマで演奏されたものから始めてみてもいいでしょう。好きな映画のサウンドトラックも挙げられます。

3つ目は音楽を生活に馴染ませてしまうことです。とにかく家では音楽をかけている、休日には皆でCD屋さんや、ときにはコンサートに行く。食卓では音楽の話が笑顔で話されている。そういう環境にいると、「音楽があって当たり前」「音楽とともに生活している」状態になります。

では、読書に置き換えると…?


では、これら3つを読書に置き換えるとどうなるのでしょうか。

1つ目は、とりあえずジャンルを問わず「本そのもの」を好きになってもらい、そこから拡げていくこと。マンガでも、ライトノベルでも、ゲームの攻略本でも、文字が書いているものであればなんでも喜んで読ませてあげてください。

2つ目は、本の中で好きな1冊や作家を見つけることです。これは子どもだけでは難しいと思うので、一緒に探してあげてください。ただし強制は禁物です。まず「好きになってもらう」ことが大切です。

3つ目は、本を生活に馴染ませてしまうことです。とにかく家には沢山の本がある、休日には皆で本屋さんに行く。食卓では最近読んだ本の話が笑顔で話されている状態です。本好きではなくても、本屋さんは好き、食卓での本の会話は好き、となると長い目でみて、きっと本が好きになります。

いかがでしょうか。音楽と同様に考えてもらうことで、イメージが湧きやすくなっていただけたら嬉しいです。

まずは読書が身近な家庭づくりから


もちろん、何かを好きになるということは趣味・趣向の話ですので、「こうすればいい」という万能薬はありません。大人の働きかけによって、今まで読んでいなかった堅めの本をすぐに読みたくなる子どもは、いません。

もし、3つの中で一番よい方法はどれかと尋ねられれば、3つ目だとお答えします。子ども達にとって、最も違和感がないからです。仕事上、毎年何百人もの保護者の方々にお会いしますが、本好きな方のお子様は、基本的に本が好き(もしくは嫌いではない)です。この季節に、読書が身近な家庭づくりをしてみてはいかがでしょうか。



親のできること




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プロフィール

清水章弘-2011年に東京大学教育学部を卒業し、東京大学大学院教育研究科に進学。2008年に、学習塾プラスティーを立ち上げた若き起業家としても注目されている。これまでに6冊の本を出版し、中学生・高校生に「勉強のやり方」を伝えている。著書に『中学生からの勉強のやり方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)や『現役東大生が教える! 頭がよくなる7つの習慣』(PHP文庫)がある。


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